人間だけでなく、動物医療や健康食品の開発により、年々ペットも長生きになりました。
喜ばしいことなのですが、飼い主も高齢で、最後まで面倒を看てあげることができなくなってしまっているという事実もあります。
「動物は飼い主が終生飼養すべきだ」という、動物愛護法の改正により飼育困難なペットを保健所で預かることもできなくなってしまいました。
そこで注目を集めているのが、ペット介護士です。
ここでは、ペット介護士の仕事の内容や必要な資格について、お話していきたいと思います。
ペット介護士とは
ペット介護士、と聞いてどのような仕事を想像するでしょうか。
まずは、ペット介護士の仕事内容と、資格について紹介していきます。
ペット介護士の仕事内容
ペット介護士とは、病気や高齢により、介護が必要になったペットの世話をする仕事です。
空前のペットブームが続く現代社会、数多くのペットが衰えや遺伝的な病気により、介護を必要とするケースが増えているという実態があります。
アルツハイマー型認知症になった老犬が、昼夜逆転し吠え続けていて対処ができない。
麻痺が全身に回る遺伝的な病気を発症してしまい、一日中面倒を見なければいけないが、昼間は仕事で留守がち。
など、飼い主だけではどうにもならない状況があり、そんなペットの飼い主に代わって介護を行うのがペット介護士になります。
主な仕事内容は
・排泄の介助
・グルーミング(シャンプーや爪切り、ブラッシングなど)
・食事や栄養の管理
・散歩などの運動による足腰のトレーニング
・マッサージ
・飼い主へのアドバイスやカウンセリング
・健康記録などの事務作業
などとても多くの業務があります。
高齢で身体能力の落ちたペットや、病気や麻痺で体を動かせないペットは、自分で身繕いをすることができないため汚れが溜まって病気の原因となります。
グルーミングをして清潔を保つことで、病気を予防することも、大事な仕事の一つとなります。
また、自分で食事の取れないペットには食事のサポートを行い、排泄が困難なペットには排泄の介助を行います。
適切なサポートで、快適な生活を送らせてあげるのも、ペット介護士の大切な仕事になります。
時にはペットだけでなく、飼い主さんへアドバイスやカウンセリングを行って、不安やストレスを取り除くことも仕事になります。
ペットのお世話とさほど変わらないように感じますが、プロとして行うためにはそれ相応の知識が必要になってきます。
似たような職業で動物看護士がありますが、こちらは介護士と違い獣医師のサポートがメインの仕事になっています。
働く動物病院によって違いはあり、事務作業などもありますが、診察中の補助など、獣医師の手伝いをするのが動物看護士になります。
ペット介護士の資格の種類
ペット介護士として働くために必須の公的な資格はなく、ペット介護士を募集している求人に応募して採用されれば、誰でもなることができます。
しかし、特別なケアを必要としているペットを扱うため、健康やケアに関する専門的な知識や技術が必要になってきます。
特定の民間資格を取得することで、動物介護の知識とスキルが学べて、就業に有利になるので、そちらを紹介したいと思います。
ペット介護士(がくぶん)
がくぶんの通信講座「ペット介護士養成講座」を修了することで資格認定を取得できます。
学習期間6か月程の講座で、ペット介護やケア、ペットシッターなどのスキルを学べる人気の講座です。
楽しみながら学べる難易度低めの資格で、ペット介護について初めて学ぶ人におすすめの資格になります。
受講期間は6ヶ月程度で、講座の受講料金は39,900円になります。
がくぶん ペット介護士養成講座老犬介護士(一般社団法人日本キャリア教育技能検定)
一般社団法人日本キャリア教育技能検定(JCSA)が認定する資格です。
日本ケンネルカレッジの「老犬介護士養成専門講座」を修了し、認定課題で一定水準の知識、技術を満たすことで取得できます。
通信講座での受講が可能で、多様な老犬介護の知識と技術を、学ぶことができます。
日本ケンネルカレッジの中でも難しい資格になっているため、学習期間は1年と長くなっており、認定課題や添削課題など、提出物も多くなっています。
資格取得後は、実技スクーリングに参加することで、インストラクターライセンスを取得することもできるので、可能性を広げたいと思っている人におすすめの資格になります。
受講期間は4ヶ月程度で、講座の受講料金は70,000円になります。
動物介護士(日本ペット技能検定協会)
日本ペット技能検定協会が認定する資格で、指定カリキュラムを修了し、筆記試験に合格することで取得できます。
2020年の4月に、小動物介護士から動物介護士へライセンス名が変更になりました。
その名の通り、犬や猫など小型の動物だけを扱う、小動物介護のスペシャリストです。
講座は、たのまなの「動物看護介護講座」をおすすめします。
動物の看護と介護、両方の内容を学ぶことになるため、ボリュームが多くなっています。
動物介護士、動物看護士、ペットシッター、セラピードッグトレーナー、ペットロスケアアドバイザーという、5つのライセンスを取得できます。
動物介護士を取得するだけなら、他の講座もありますが、動物看護士は将来的に、国家資格化する動きがあるため、同時に取得しておくといいでしょう。
受講期間は4ヶ月程度で、講座の受講料金は通常コースが80,300円、eラーニングコースだと86,900円になります。
たのまな 動物看護介護講座動物介護ホーム施設責任者資格(一般財団法人日本能力開発推進協会)
一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)が認定する資格で、指定カリキュラムを修了し、筆記試験に合格することで取得できます。
動物介護施設運営をする際に、必須ではないのですが持っていることで、お客様からの信用を得ることができます。
講座はキャリカレの「動物介護士&動物介護ホーム施設責任者講座」が指定カリキュラムとなっています。
この講座では、開業サポートに力を入れているので、ビジネスとして開業することを考えている方におすすめの資格になります。
受講期間は4ヶ月程度で、講座の受講料金は46,000円になります。
動物介護士&動物介護ホーム施設責任者W資格取得講座ペット介護士に向いている人
様々な知識や技術が必要なペット介護士ですが、どのような人がこの職業に向いているのかみていきましょう。
動物が好き
言うまでもなく、動物が好きという気持ちが大切です。
愛情を持って、動物を見下すことなく、日常生活のお世話をできる人なら、仕事が苦にならず、毎日楽しく充実した日々を送れるでしょう。
動物たちは、人間のように言葉を話すことができないので、感情を表情やしぐさで理解しなければなりません。
動物が好きなら、それを理解するための知識だってすぐつけられるでしょう。
人間以上に敏感な彼らは、こちらが愛情を持って接さなければ、触らせてくれません。
仕事での付き合い程度で考えている人にはおすすめできません。
人への気配りができる
ペット介護士として働く際、ペットだけでなく様々な人への配慮も必要になってきます。
ペットの飼い主さんと関わる機会もありますし、気配りのできない人が、自分の大事な家族を介護するのだと思ったら、とても不安になりますよね。
人に対しての気配りができない人が、動物に対して気配りすることは難しいでしょう。
相手の気持ちを考え、その気持ちを汲み取ることができることは、仕事をするうえでも、生きていくうえでも必要不可欠なものなのです。
まとめ
ペット介護士をまとめると
・ペット介護士とは、病気や高齢のペットのお世話をするスペシャリストである。
・ペット介護士になるために資格は必要ないが、専門的な技術や知識を、持っておいたほうが良い。
・民間の資格を取得することで、ペット介護士への就業が有利になる。
・ペット介護士には、動物好きな人、気配りができる人が向いている。
現在は、ペット介護士の活躍できる場は少なく、認知度も低いため、ボランティアなどの個人的な活動が多く見られます。
しかし、ペットの高齢化は進んでおり、今後は高齢ペットのための施設が増えていくことは確実だと言われています。
きっと、ペット介護士は欠かせない存在だ、と言われる時が来るはずです。
ペットを飼っている人なら、仕事以外でも、必ず高齢の子のお世話に携わることでしょう。
今からでも少しずつ学んで、ペットの介護の技術や知識を身に付けておくと、戸惑いやストレスも軽くなるはずです。
これを機に、ペット介護士の資格を取得してみてはいかがでしょうか。
知識や技術を身に着けることが、決して無駄になることはないと思います。
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