介護士の仕事

介護士のボーナス平均額はどれくらい?アップさせるには?

「ボーナスを貰ってはいるけれど、他の施設に比べて安いのではないだろうか」と、思ってはいませんか?

介護士として働き続けたくても、ボーナスが安いと将来の働き方に不安を感じてしまいますよね。

今回の記事では、介護士のボーナス平均額やボーナス額を上げる方法をお伝えしています。

この記事を読むと、あなたのボーナス額が上がるかもしれませんよ!

介護士のボーナス平均額や支給日は?

介護士のボーナス平均額や支給日を見ていきましょう。

介護士のボーナス平均額

令和3年の介護労働実態調査によると、介護士のボーナス平均額は、590,699円(年額)です。

介護士の中でも、無期雇用職員のボーナス平均額は605,212円(年額)、有期雇用職員のボーナス平均額は419,978円(年額)となっています。

参考:介護労働安定センター 令和3年度介護労働実態調査結果

  • 無期雇用とは、勤め先との間に期限を定めずに雇用契約を結ぶこと。(正社員など)
  • 有期雇用とは、期間の定めのある労働契約のこと。(契約社員など)
  • パート・アルバイトは、施設によって雇用契約が異なります。

ボーナスの支給は法律で定められていないため、支給する・しないは施設側が決められます。

また、ボーナスの支給額は、施設の経営状況に応じて決められることが大半です。

そのため、それぞれの施設でボーナス支給額に差が出てきてしまう、ということですね。

ボーナスは何か月分支給されている?

ボーナス金額の査定基準は、「基本給の○か月分」と定めていることが多いですね。

例えば、「基本給20万円、ボーナス年2回(計3か月分)」の場合、1.5か月分(30万円)が年に2回支給されるということです。

大半の施設は年に2回の支給が多く、基本給の何か月分の支給になるかは、施設の経営状況などによって異なってきます。

そのため、一概にこれといった支給額は言えませんが、1.5か月分~3.5か月分が多い傾向にありますね。

ボーナス支給額は、求人に出されている求人票や、労働契約書、就業規則などを参考にしましょう。

基本的に前年度の実績で記載されていることが多いようですよ。

ボーナス支給日はいつ?

介護士のボーナス支給は、大半の施設が年に2回の支給となっています。

支給時期は、大体6月~8月(夏)と12月(冬)の支給で、施設によっては3回のところもあるようですね。

12月(冬)のボーナスの方が多く支給されることもあるため、夏のボーナス額より冬のボーナス額の方が多い場合もあります。

ただ、ボーナス支給日は施設が自由に設定できるため、一概にこの日・この時期とは決められていません。

施設形態・保有資格・職種別ボーナス平均額

介護士のボーナスは、施設形態や保有資格、職種によっても変わります。

まずは、施設形態ごとのボーナス平均額を見ていきましょう。

施設形態別ボーナス平均額

施設形態別のボーナス平均額を見ていきましょう。

施設形態 ボーナス平均額(年額)
訪問介護 480,476円
通所介護 515,091円
小規模多機能型居宅介護 490,735円
居宅介護支援 558,915円
介護老人福祉施設 794,986円
介護老人保健施設 716,654円
介護療養型医療施設 729,892円

参考:介護労働安定センター 令和3年度介護労働実態調査結果

上記表では、介護老人福祉施設のボーナス平均額が1番高くなっています。

他にも

  • 介護老人保健施設
  • 介護療養型医療施設

入所系のボーナス平均額が高い傾向にありますね。

では、通所系・訪問系・入所系別でも見てみましょう。

サービス系別 ボーナス平均額
施設(通所系) 500,232円
訪問系 542,014円
施設(入所系) 731,047円

参考:介護労働安定センター 令和3年度介護労働実態調査結果

やはり、入所系の施設形態が高くなっていますね。

入所系は夜勤があるなど仕事量が多いため、通所系・訪問系よりも基本給が高くなっています

その分、ボーナス平均額も必然と高くなっているということですね。

保有資格別ボーナス平均額

次に、保有資格別ボーナス平均額を見ていきましょう。

保有資格 ボーナス平均額(年額)
無資格 398,766円
介護職員初任者研修 453,117円
実務者研修 460,898円
介護福祉士 594,571円

参考:介護労働安定センター 令和3年度介護労働実態調査結果

保有資格別では、有資格者の方がボーナス平均額が高くなっていますね

さらに、国家資格である介護福祉士のボーナス平均額が1番高くなっています。

例えば介護士の求人でいえば、有資格者の採用が多く見られることから、有資格者を高待遇にしている傾向にあります。

職種別ボーナス平均額

職種別のボーナス平均額も見てみましょう。

職種 ボーナス平均額(年額)
訪問介護員 464,549円
介護職員 551,073円
サービス提供責任者 628,731円
介護支援専門員(ケアマネジャー) 662,668円

介護支援専門員(ケアマネジャー)と、サービス提供責任者のボーナス平均額が高い傾向にあります。

担う仕事の難易度や、リーダー的存在となって現場を指揮する立場にあるため、責任が伴う分ボーナス額にも反映されるということですね。

介護士のボーナスは年齢や勤続年数でも変わる?

施設形態・保有資格・職種別のボーナス平均額が分かったところで、年齢や勤続年数でも変わるのかも見ていきたいと思います。

年齢別ボーナス平均額

まずは年齢別ボーナス平均額を紹介します。

年齢 ボーナス平均額(年額)
20歳以上25歳未満 438,667円
25歳以上30歳未満 509,675円
30歳以上35歳未満 551,463円
35歳以上40歳未満 596,448円
40歳以上45歳未満 633,352円
45歳以上50歳未満 643,152円
50歳以上55歳未満 627,999円
55歳以上60歳未満 634,825円
60歳以上65歳未満 521,436円

1番ボーナス平均額が高いのは、45歳以上50歳未満となっていますね。

ただ、上記表を見て分かる通り、年齢とボーナス平均額は比例していません

介護士は中途採用が多いこともあり、年齢でボーナス額が決められることはないようですね。

勤続年数が長くなるとボーナス平均額が高くなる

次に、勤続年数別のボーナス平均額を紹介します。

勤続年数 ボーナス平均額(年額)
1年以上2年未満 341,977円
2年以上3年未満 494,283円
3年以上4年未満 526,622円
4年以上5年未満 547,730円
5年以上10年未満 581,355円
10年以上15年未満 659,290円
15年以上20年未満 754,102円
20年以上 962,452円

20年以上の勤続では、なんと100万円近くのボーナス平均額となっています。

年齢でボーナス平均額は比例していませんでしたが、勤続年数はボーナス平均額と比例していますね。

このことから、介護士は勤続年数が増える程給与(基本給)が上がるため、ボーナス額も必然的に上がる、ということになりますね。

また、役職に就くなどキャリアアップによってボーナス額が上がることも、理由のひとつだと思われます。

介護士がボーナス額を上げる方法は?

ここまで、様々なボーナス平均額を紹介してきました。

現在のあなたのボーナス額が平均額よりも低かった場合は、「今よりもボーナス額を上げたい!」と思ったのではないでしょうか?

そんなあなたに、ボーナス額を上げる方法をお伝えします。

資格を取得する

資格を取得することで、ボーナス額を上げることに繋がります。

保有資格別のボーナス平均額でもお伝えした通り、保有資格によってボーナス額が上がっていましたね。

資格を取得した場合、ボーナス額を上げることだけではなく、給与の面でも資格手当てが付くなど待遇が良くなります。

施設側の求人募集では保有資格者が多く、転職をする際にも有利になりますよ。

ボーナス額を上げることに繋がる資格

主に以下4つの資格があります。

  • 介護職員初任者研修
  • 実務者研修
  • 介護福祉士
  • 介護支援専門員(ケアマネジャー)

上記の資格を取得するには、専門のスクールで研修・受講したり、必要な実務経験を積んだりすると取得できます。

専門のスクールは働きながら通えますし、私も働きながら介護福祉士の資格を取得しました。

また、学歴や年齢関係なく資格取得が可能なため、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。

資格に関しては下記を参考にしてくださいね。

介護職員初任者研修

介護職として働く上で基本となる知識・技術を習得する研修です。

学歴や年齢に制限はなく、未経験でも取得できます。

介護職員初任者研修を取得後は、身体介護の仕事ができるようになりますよ。

介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修(実務者研修)とは、介護職員初任者研修の上位に位置づけられる資格です。

介護福祉士国家試験の受験資格は、2017年より「実務者研修の受講・修了」が義務付けがされました。

そのため、実務者研修は介護福祉士資格を目指す上で必須の資格となっています。

下記の記事も参考にしてくださいね。

介護士におすすめの資格「実務者研修」メリットと取得方法を解説

介護福祉士

介護福祉士とは、福祉に関する相談や介護の依頼に対応できる、専門スキルを持つ資格です。

在宅や施設における介護の充実強化を図ること、国民の福祉を向上させることを目的として制定された資格です。

介護に関わる一定の知識や技能を習得していることを証明する、唯一の国家資格ですよ。

下記の記事も参考にしてください。

働きながら国家資格の介護福祉士を目指そう!資格の取り方を教えます

介護支援専門員(ケアマネジャー)

ケアマネジャーは、介護を必要とする人に最適なケアプランを作成し、サービスの調整や管理などを行うことが主な仕事です。

ケアマネジャーになるには資格取得が必要ですが、介護福祉士と違って国家資格ではありません。

そのため、介護福祉士ほど試験自体の難易度は高くありませんよ。

責任者や管理職を目指す

現在勤めている施設でキャリアアップを目指して、ボーナス額を上げる方法もあります。

「主任」「サービス提供責任者」「ユニットリーダー」といった、責任者のポジションに就くことで役職手当が加算されます。

ボーナス額だけでなく、毎月の給与額を上げることも可能ですよ。

介護士として経験年数や資格が必要になりますが、責任のあるポジションを経験すれば、さらなる昇進を目指せる可能性もあります。

また、管理者を目指してボーナス額を上げることも可能です。

管理者のボーナス平均額は、818,485円となっています。

入所系の大手施設の管理者だと、100万円超えのボーナスを支給されることもありますよ。

給与やボーナス額に大きく反映される分、同時に責任の重さが大きくなりますが、職員達をまとめる長として、やりがいはあると思いますよ。

参考:介護労働安定センター 令和3年度介護労働実態調査結果

給与の高い施設に転職する

ここまでボーナス額を上げる方法として、資格取得やキャリアアップをお伝えしました。

しかし、いずれにしてもすぐに実現するのは難しいところではありますよね。

早めにボーナス額を上げたいのであれば、給与が高い施設へ転職する方法もあります。

介護士のボーナス額は基本給で査定することが多いため、基本給が高い施設を見つけて転職をするのも近道です。

介護業界は慢性的な人手不足のため、給与を高く設定している施設も少なくありません。

また、職員の定着率をあげるために、福利厚生を充実させるなど、働きやすい環境づくりに力を入れている施設もありますよ。

ボーナス額が高くても、月収が低かったり休日が少なかったりする場合があります。

また、施設の経営状況によってボーナス額が決められることが多いため、ボーナス額だけで選ばないようにしましょう。

ボーナス額を重視して転職した結果、「以前働いていた施設より待遇が悪かった・・・」というケースもあり得ますよ。

年収を上げる方法や良い職場の見極め方の記事も、参考にしてみてくださいね。

介護士の平均年収は?保有資格別年収を比較!年収を上げる方法も!

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資格取得のサポートをしている施設がある

職員が資格を取得する際に、資格取得にかかる費用などをサポートしている施設があります。

費用の負担や、スクールの受講日程を考慮した働き方ができるため、働きながらでも資格取得がしやすいですよね。

施設が資格取得のサポートするのは、職員を育ててスキルアップしてもらい、長く存続してもらいたい意思があるからです。

先ほどもお伝えした通り、同じ施設で長く存続して働き続けるのは、ボーナス額を上げることにも繋がります。

資格取得をサポートしている施設への転職を、視野に入れてみてもいいのではないでしょうか。

資格を無料で取れる転職サイトもありますよ。

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【補足】介護士のボーナス支給の現状とこれから

最後に補足として、介護士のボーナス支給の現状やこれからについてお伝えします。

黒字の事業者はボーナスカット禁止

厚生労働省は2015年度介護報酬改定の際に、収支が黒字など経営状態の良い事業者に対して、ボーナスカットを禁止すると発表しています。

経営が苦しくないのにもかかわらず、待遇改善に消極的な事業者がいる実態に対応するためです。

これにより、事業者が黒字である限りはボーナスが支給されるため、不用意にボーナスがカットされることはないでしょう。

事業者のボーナス支給の現状

現状、無期雇用職員(正社員など)へのボーナス支給率は、事業者全体の63.1%となっています。

また、「制度はあるが経営状況に応じて支払わない場合がある」という事業者が9.9%です。

約70%の事業者にボーナス支給制度があるため、「ボーナスが支給されない」という事業者は少ない傾向にあるようですね。

参考:介護労働安定センター 令和3年度介護労働実態調査結果

介護職員処遇改善加算による影響

これまで、介護職員の給与を上げるために、処遇改善加算・特定処遇改善加算の制度が実施されています。

また、令和4年度からベースアップ等支援加算が実施されるため、更なる給与改善が見込まれます。

介護職員処遇改善加算をボーナスに充てる事業者もいるため、ボーナス改善にも影響してきています。

ただ、分配の仕方は施設によって異なってくるため、現在働いている施設や、転職する施設の手当て内容などを確認してみてもいいですね。

介護職員処遇改善加算とは

利用者に直接介護サービスを提供する介護職員の、安定的な処遇改善を図るためのもの。

環境整備と賃金改善を目的に創設された加算。

介護職員等特定処遇改善加算とは

「経験・技能のある介護職員」に重点化して、これまでの介護職員処遇改善加算に加え、更なる処遇改善を行うための加算。

介護現場でリーダーとしての役割を担う介護職員の賃金の平均年収引き上げるためのもの。

介護職員等ベースアップ等支援加算とは

介護職員等の処遇改善を目的とし、1人あたりの収入を3%程度(月額平均9,000円相当)引き上げるために設けられた加算。

介護士のボーナスまとめ

介護士のボーナス平均額や支給日、ボーナス額を上げる方法をお伝えしました。

ボーナス額が上がるとやる気も上がりますよね。

ただ、ボーナスも大事ですが、それ以外にも月収やあなたが大事にする待遇も考えた上で、これからのキャリアを考えてください。

この記事が、あなたがより働きやすくなるよう参考になれば幸いです。

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