介護士の仕事

介護士の平均年収は?保有資格別年収を比較!年収を上げる方法も!

介護士の年収は低いと聞いて不安になっていませんか?

せっかく介護士として働き始めたのに不安を抱えながら仕事を続けたくないですよね。

そんなあなたに、今回の記事では介護士の年収を上げる方法についてお伝えしていきます。

もし現在の職場で年収を上げるのが難しいようであれば、転職する場合の良い職場の見極め方についても紹介するので、参考にしてくださいね。

介護士の平均年収は低いのか?

介護士1年目の平均年収を見ていきましょう。

未経験・資格なし1年目の平均年収

実際に介護士の求人を出している施設の給与を元に平均年収を算出しました。

平均月収:186,183円
平均年収:2,234,196円

社会人1年目の全体平均年収は約270万円ですので、全体平均と比べると介護士1年目の平均年収は低めとなっています。

介護福祉士1年目の平均年収

福祉系の学校を卒業した人たちには、介護福祉士の資格を取得している人が多くいます。

介護福祉士1年目の平均月収は約20万円、平均年収は約240万円です。

介護福祉士は介護業務の他に、在宅介護の場合は介護方法や生活動作に関する説明、介護に関するさまざまな相談にも対応する仕事です。

資格手当てがつき、業務が多くなる介護福祉士でも、社会人1年目の全体平均年収よりは低めとなっています。

介護士は入浴や排泄介護など肉体労働が多く、専門的な知識を覚えることが多かったりと、決して簡単な仕事ではありません。

それなのになぜ年収が低いのでしょうか。

介護士の年収が上がりづらい理由

年収が上がりづらい理由を解説していきます。

専門性が軽視されている

介護士は専門性が必要とされるのですが、無資格・未経験からでも研修を受ければ活躍できるので、誰にでもできる仕事と考えられているのが現状です。

介護士は医療福祉の職種のひとつなので、無資格・未経験から始めたとしても、専門的な知識習得や研修、指導は必ず施設内で行ないます。

しかし、「就職するときには専門性がなくてもいいので、給与額を高く設定する必要がない」と経営側が考えてしまうところがあります。

そのため、医師や看護師のように有資格者・経験者でないと働けない職種と比べると、年収が低い傾向にあります。

給与にあてられる財源には上限がある

介護職員の給与は国から支払われる介護報酬と、介護サービスを受けた利用者からいただく利用者負担額から成り立っています。

介護報酬

介護報酬はサービスの種別や内容、入所施設は要介護度ごとに法律で細かく定められています。

介護報酬の財源は全国民が40歳から強制加入となる介護保険からになります。

この財源には限りがあり一人が使いすぎないよう上限設定がされています。

また、介護保険法で基準額が決まっており、昇給やボーナスなど各施設の判断では出せないのです。

利用者負担額

利用者負担額は介護サービスにかかった費用の1割~3割で、利用者の所得によって何割負担なのかが決定します。

利用者の介護保険の適用にも上限があり、上限を超えた分は利用者の全額負担となります。

ですので、ほとんどの利用者は介護保険の適用される範囲で施設を利用しています。

また、施設を利用したい人がたくさんいても、ひとつの施設で利用できる定員は決められているので、定員以上の利用者を増やすことはできません。

介護報酬や施設の定員に上限があるので、企業努力だけでは給与を変えられないのが現状です。

内部留保額が高い傾向にある

内部留保とは、施設運営などの経営を安定させるための資産です。

介護施設の主な収入源は介護報酬で、先ほどお話したように上限があるため自由に施設の収入を変えることはできません。

そうなると、経営側は施設運営を存続させるために内部留保額を高めに設定するので、その分介護職員の給与が低くなってしまう傾向にあります。

限られている介護報酬の中から内部留保に回す額が高くなると、同時に介護報酬から支払われる職員の給与は少なくなります。

年収が上がりづらいとなると、「介護士を続けたいのに年収が低いのは将来が心配」というジレンマを抱えてしまうのではないでしょうか。

介護士が年収を上げる4つの方法

介護士を続けたいあなたに年収を上げる方法をお伝えしていきます。

1.同じ施設で働き続ける

同じ施設で働き続けて着実に年収を上げる方法です。

勤続年数ごとの平均年収

勤続年数 平均年収
2年(勤続2年~2年11か月) 3,450,720円
5年(勤続5年~5年11か月) 3,715,320円
10年(勤続10年~10年11か月) 3,827,760円
15年(勤続15年~15年11か月) 4,070,760円
20年以上 4,536,120円

※平均給与額×12として算出

参照:厚生労働省 令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果

この施設で働き続けたい!と思えるのであれば、年収にも着実に反映されるのでそのまま働き続けていきましょう。

2.資格を取得する

資格を取得すると資格手当てがプラスされるので年収は上がります。

保有資格別の平均年収

保有資格別 平均年収
保有資格なし 3,255,120円
介護職員初任者研修 3,606,120円
実務者研修 3,687,960円
介護福祉士 3,944,640円
社会福祉士 4,361,760円
介護支援専門員 4,347,480円

※平均給与額×12として算出

参照:厚生労働省 令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果

介護の仕事は資格がないとできない仕事もあるため、資格保有者は重宝されています。

介護士の求人では、実務者研修介護福祉士を求めている施設が多く見受けられます。

私は無資格で介護の仕事を始め、最初に目指した資格は「介護福祉士」でした。

学歴は関係なく働きながら取得ができるので、まずは介護福祉士を目指してみるのはいかがでしょうか。

下記の記事も参考にしてみてくださいね。

3.管理職を目指す

施設のみんなを引っ張っていくリーダーを目指す道もあります。

管理職の平均年収

施設別 平均年収
通所介護事業所 3,900,240円
通所リハビリテーション事業所 4,264,920円
認知症対応型共同生活介護事業所 4,254,840円
介護療養型医療施設 4,517,760円
介護老人保健施設 4,812,120円
介護老人福祉施設 4,999,080円

※平均給与額×12として算出

参照:厚生労働省 令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果

すぐには難しいですが、ひとつの施設で働き続けて将来のキャリアアップを考えるのであれば、管理職を目指すことをおすすめします。

管理職になるには

  • 実務経験を積む
  • 施設に応じた資格を取得する
  • 現場職員に対する指導・マネジメント能力を上げる

などが求められます。

施設の管理に対する責任を負うことになるので、当然責任も重くなりますが、その分給与へ反映されることになります。

長く仕事を続けた先に、施設で働くみんなをまとめる立場になりたい!という思いがあるのであれば、管理職を目指していくのはやりがいがあっていいですよね。

4.年収が高い介護施設へ転職する

介護施設には何種類も形態があり、それぞれで年収が変わります。

施設ごとの平均年収の違い

施設別 平均年収
通所介護事業所 3,338,160円
介護療養型医療施設 3,444,840円
小規模多機能型居宅介護事業所 3,474,240円
認知症対応型共同生活介護事業所 3,497,520円
介護医療院 3,690,600円
訪問介護事業所 3,775,080円
特定施設入居者生活介護事業所 3,837,120円
介護老人保健施設 4,060,680円
介護老人福祉施設 4,147,080円

※平均給与額×12として算出

参照:厚生労働省 令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果

私が最初に働いたのは特別養護老人ホームで、上記でいう介護老人福祉施設に入ります。

身体介護など生活支援、夜勤や緊急時の対応も行ない、体力も必要な仕事でした。

その分夜勤手当てがついたりと給与が高めの傾向にあります。

今働いている施設が年収が低いのであれば、年収が高い施設へ転職をすることも視野に入れてはみてはいかがでしょうか。

優良な施設を見極めるポイント4つ

いざ転職をしようと求人を出している施設を見ても、「いくつも施設があってどこが良いのか分からない」「本当に給与が上がるのか不安」などと悩んでしまいますよね。

そんなあなたに優良な施設を見極めるポイントをお伝えします。

1.給与・休日などのルールが明確に定められている

ルールが明確に定められているということは、なぜ自分はこの給与額なのか・休日はどれだけもらえるのかを理解し、疑問に思わず働けるということです。

就職希望の施設があれば、面接のときに給与に関するルールを確認してみるといいでしょう。

同時に年間休日数や福利厚生も前もって確認しておけば、就職後に「話が違う」とならずに済むので、気持ち良く働けますよね。

働く人のことを考えている施設であれば、給与に関するルールや年間休日・福利厚生などに関する内容は、あらかじめ教えてくれます。

2.キャリアパス制度が周知されいてる

キャリアパスとは、職務上の経歴を意味する「キャリア」と道筋を意味する「パス」を組み合わせた用語です。

キャリアパス制度には、管理職などに就くために必要な資格や業務経験、年数といった道筋が明確に示されています。

明確化することで、昇給したいとき・管理職を目指すときなどの指針となります。

昇給や昇進の基準が分かりやすいので、働く側のモチベーションアップにもつながります。

3.資格取得などの費用をサポートしている

キャリアアップを目指すには資格取得が不可欠です。

職員へ向けて資格取得などの費用をサポートするのは、職員を育ててスキルアップしてもらい、長く存続してもらいたい意思があるからです。

施設によっての費用負担やサポートの内容は変わりますが、どのような内容なのかは明確に周知されているところがいいですね。

4.施設内が清潔である

施設内が清潔ではない場合、清掃に手が回らないほど人手不足なのかもしれません。

汚れているところが多くないか、ごみが散乱していないかなど施設内の状態も見ておきましょう。

介護業界は人手不足とは言っても、日常の業務が回りきらないほどの人手不足だと、その職場に就職した場合に苦労する可能性はあります。

介護士の年収は上がり続けている!

介護士は近年、年収が上がってきています。

近年の平均年収

平成28年 3,477,360円
平成29年 3,569,400円
平成30年 3,611,640円
令和2年 3,790,200円
令和3年 3,799,320円

※平均給与額×12として算出

参照:厚生労働省 介護従事者処遇状況調査

高齢者が増加しているにも関わらず、介護業界は慢性的な人手不足の状態が続いています。

政府は人手不足を解消するために、処遇改善の施策を進めています。

これは介護従事者の給与を上げるために行われているので、その影響もあり年収が徐々に上がってきています。

処遇改善に関する詳しいことは、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
【介護士の処遇改善手当、あなたは貰えてる?もらえてないときにできること】

まとめ

介護士の年収が上がってきてはいるものの、未だ低い傾向にあります。

しかし介護業界は

  • 高齢者の人数が増加していく
  • 介護が必要な人が激減することはない
  • 慢性的な人手不足

という状況なので、景気に左右されるリスクは低く安定している産業と言えます。

景気に左右されず安定している、というメリットがあるのは魅力的ですね。

介護士を続けていくと利用者に感謝され、役に立てることにやりがいを感じてくると思います。

こんなことを言うと「やりがい搾取だ!」なんて意見が出てくるかもしれませんが、これから何十年と仕事を続けるのに、やりがいがある方が良いと思いませんか?

今回の記事でお伝えした方法で年収を上げて、あなたが充実した介護士ライフを送れるよう応援しています!

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