低賃金のイメージがまだまだ根強い介護士。そんな我々介護士にとって、最近嬉しいニュースが飛び込んできました。
政府が2022年の2月までに、介護士の給料を引き上げると発表したのです。
今回の記事では、給料引き上げの情報に加えて
「かれこれ10年近く介護士を続けているが給料が上がらない」「今の給料じゃ足りない」
というあなたのために、さらに収入をアップする方法についてお届けします。
令和4年の2月に介護士の給料が引き上げられる?
2021年11月、介護士の給料が引き上げられるとニュースになりました。
他業種に比べ処遇改善が遅れている介護職、保育士、看護師を対象にしており、
2022年2月までに給料の引き上げを実施する予定で、年内には結論を出すとしています。
申請手続きなどにより、手元に届くのは来春以降の可能性もあるとのこと。
ですが、一定期間の賃上げ分は交付金として一括支給したい意向も表明していますので、今後の発表が楽しみですね。
大体いくらぐらい上がるのか
発表によると、職種ごとにおおむね月1万~5千円の増額をする案を軸に調整するとのこと。
月1万円とすれば、年間で12万の引き上げという事ですね。
そう考えると結構大きいですね。
引き上げ分を貯金すれば家族旅行にも行けちゃいます。
給料引き上げに関する問題点
給料の引き上げにはもちろん財源が必要になります。ではその財源はどこから来るのか。
財源についての詳しいことは政府や首相からはまだ発言されておりません。
おそらく、介護保険料や我々国民の税金から支払われる可能性が考えられます。
さらに、この政策を実施するには1兆円以上必要ではないかとの見方もあります。
国民の税金が使われるとなると、介護職以外の職業からの批判が活発化するかもしれません。
そうした論争が起こり始めると、実施の遅れや、最悪中止の可能性もあります。
もし実現すれば我々にとって嬉しい政策です。
ですが、まだ確定段階ではありませんので、過度な期待を持つのはまだやめておいた方がいいかもしれません。
今後の動きを注意深く見守っていきたいですね。
「特定処遇改善加算」で最大8万円の収入アップ
特定処遇改善加算とは、2019年10月に創設された制度です。
主に、介護士の経験や技能のある職員を対象としています。
今までの処遇改善加算に加え、介護職員のさらなる処遇改善を進めることを目的としています。
ざっくりというと、一定の勤務年数を超えた職員や、資格を持った職員向けの昇給制度です。
特定処遇改善加算について話す前にまずは、従来の処遇改善加算とはどんなものなのかを説明していきます。
処遇改善加算とは
処遇改善加算とは、2012年から運用されている介護職員の賃金向上を目的に創設された加算制度です。
昇給のシステムを作ったり、職員が働きやすい職場環境にする為の改善をしている事業所には、職員の給与に加算する為のお金が支給されます。
多くの場合、「処遇改善手当」という名目で職員に支給されている場合が多いです。
事業所がこの制度を受けるには、様々な要件を満たす必要があります。
満たす要件が多ければ多いほど、職員一人当たりの加算額が多くなります。
加算額の段階は現在加算Ⅰ~Ⅲまでの3段階(以前は5段階)あり、
- 加算Ⅰが職員一人当たり月額37,000円相当
- 加算Ⅱが月額27,000円相当
- 加算Ⅲが月額15000円相当
となっております。
職員への配分は事業所ごとに違いますので、あなたの職場ではどうなっているか確認してみてください。
加算要件についての詳しい説明はこちらの厚生労働省の案内をご覧ください。
特定処遇改善加算とは
特定処遇改善加算とは、先ほども説明した通り、2019年10月に創設された制度です。
今までの処遇改善加算が職員全体を対象としていたのに対し、特定処遇改善加算は技能や長い経験のある職員が対象となっています。
この制度では、勤続10年以上の介護福祉士について月額8万円相当の処遇改善を行うこととしています。
月に8万円も上がるなんて、とても嬉しい制度ですよね。
1年にすると約100万円。中古車が買えちゃいます。
では、以下でその算定要件と職員への加算配分についてご説明します。
算定要件
加算の算定要件(算定とは金額を計算して決定すること)は以下の3つです
- 従来の処遇改善加算Ⅰ~Ⅲのいずれかを算定していること。
- 職場環境要件について、「資質の向上、「労働環境・処遇の改善」、「その他」の区分で、それぞれ1つ以上取り組んでいること。(職場環境要件についてはこちらを参照)
- 賃上げ以外の処遇改善の取り組みの見えるかをホームページなどで行っていること。
こちらの要件は事業所が取り組むことなので、要件を満たしているかどうかは職場にご確認ください。
加算配分
加算配分についてはルールがあります。
まずは職員をA、B、Cの三つのグループに分ける必要があります。
A…経験・技能のある介護福祉士資格を持った職員
B…その他の介護職員
C…その他の職種
次に、以下のルールに基づき配分を決めます。
【ルール1】
Aの職員のうち一人以上は月8万円もしくは年収440万円まで賃金をアップさせること。
【ルール2】
処遇改善額が、AはBより高く、CはBの2分の1以下に設定すること。
となっています。
Aの職員については、勤続10年以上を基本としていますが、同じ職場で10年なのか通算で10年なのかは、各事業所の判断に任されております。
以上が特定処遇改善加算についての説明です。こちらの制度も事業所によっては行われていない場合もあるので、ご自身でご確認ください。
この制度によって、介護士を長く続けるメリットが増えたことはとてもいいことですね。
この制度を知ったあなたも
「今まで辞めなくてよかった」
と思ったのではないでしょうか。
もっと収入アップしたい!でも何すればいい?
「処遇改善手当だけではまだまだ収入が足りない」、「さらに収入アップしたい」
というあなたへ。
介護士より給料の高い職業に転職する方法もありますが、長年介護士を続けてきて、今更職種を変えるなんて簡単にはできませんよね。
介護の仕事が好きならなおさらです。
というわけで、以下ではあなたが介護士を続けながら収入をアップする方法を紹介します。
管理者を目指して資格取得
管理者とは、現場で利用者様のケアを行うスタッフや主任の、さらに上に置かれている役職です。
事業所によって呼称は異なり、「施設長」「ホーム長」と呼ばれている場合もあります。
公益財団法人介護労働安定センターの調査によると、管理者の所定内賃金は、正規の介護職全体と比較して10万円以上高いことがわかります。
平均年収にしてみると、約500万円です。
常勤の正社員で働いている介護士の平均年収が約350万円ですので、管理者になると収入が約150万円近く高くなります。
管理者は現場のスタッフとは違い、事務作業が多く、責任も大きい役職です。ですがその分大きな給料アップが見込めます。
情報の管理やマルチタスクが得意であれば、ぜひ管理職を目指すことをお勧めします。
管理者の役割や業務
主な役割は、利用者様・職員・運営などに関しての管理業務を行うことです。
業務内容の例としては
- 利用者様の既往歴や病歴を把握し、適切なサービスを行えているかの確認。
- 入居時・退去時の利用者様本人やご家族との面談
- スタッフの面接・採用業務
- スタッフの能力に応じた人員配置
- 施設の運営方針の策定
- 収支の管理
- 行政機関への対応
など、主に施設の運営に携わる業務の多くを担っています。
たくさんの業務をこなさなければならないので大変そうですが、やりがいは確実に感じられると思います。
管理者になるには
管理者のなり方は施設形態によって異なります。
以下に施設形態別で、管理者に必要な資格や要件をまとめます。
特別養護老人ホーム
- 社会福祉主事の要件を満たす者
- 社会福祉事業に2年以上従事した者
- 社会福祉施設長資格認定講習会を受講した者
この3つのいずれかを満たす者。
社会福祉施設長資格認定講習会についてはこちらをご覧ください
介護老人保健施設
- 都道府県知事の承認を受けた医師
- 都道府県知事の承認があれば医師以外の人でも管理者になれる。
小規模多機能型居宅介護
- 指定施設の従業者または訪問介護員などとして、認知症介護の経験が3年以上ある者。
- 認知症対応型サービス事業管理者研修を修了している者
グループホーム
- 小規模多機能型居宅介護の管理者と同じ条件。
その他の施設
- 特に条件はないが、介護の知識や経験が必要。
以上が管理者になるための要件です。やはりどの施設でも介護士の長い経験や研修が必要になりますね。
逆を言えば、すでに長い経験があるならば、研修さえ受ければすぐになれる可能性が高いという事ですね。
あなたに管理者になる意思があるならば、ぜひ上司などに相談してみてください。
副業を始める
すぐにでも収入が欲しいのなら副業を始めてみるのもいいでしょう。
「介護の仕事で疲れているから、なるべく体は使いたくない」
と思いますよね。
そんなあなたに、体を使わず、自宅ですぐに始められるおすすめの副業を3つ紹介します。
ポイントサイト
ポイントサイトでは、企業が掲載した広告を見てユーザーがクリックしたり、商品を購入することで、ポイントを得ることができます。
そして多くのポイントサイトでは、得られたポイントを換金することができます。
「怪しいサイトなんじゃない?」
と思うかもしれませんが、有名なポイントサイトであれば広告を掲載している企業は有名企業ばかりで、詐欺の心配もありません。
この他にも、企業の商品に関してのアンケートに答えたり、ゲームを実際に試して感想を送ることでポイントが得られる案件もあります。
基本は数円~数十円の案件ばかりですが、なかには高額報酬を得られる案件もあります。
クレジットカードの登録、不動産投資の面談、商品モニターなどの案件は1件数千円から1万円になるものもあります。
介護の仕事で疲れていてもスキマ時間でポイントを稼げるので、ちょっとしたお小遣い稼ぎがしたいときにはおすすめです。
ポイントサイトを始めるなら、得られたポイントを楽天ポイントやTポイントに交換できるビッコレがおすすめです。
データ入力
データ入力は、企業が持っている情報や、アンケートの情報をExcelなどの表計算ソフトに入力する仕事です。
現在ではクラウドソーシングサイトで簡単にデータ入力の仕事を受注することができます。
パソコンの文字入力が出来れば簡単にできる仕事ですので、自宅にパソコンがあるなら今すぐにできます。
気になる報酬ですが、文字単価でいうと相場は1文字0.1円~1円であることが多いです。
一般的なタイピングスピードなら、一日3時間やったとして、月3万円程度稼ぐことができます。慣れていけば5万以上の収入も見込めます。
納期やノルマはありますが、タイピングが得意であればすぐに慣れることができるでしょう。
介護の仕事でも利用者のデータ入力でパソコンを使うこともあると思うので、パソコン業務が苦ではないならおすすめです。
Webライター
Webライターとは、ネット上で文章を書く仕事です。
数あるライターの種類の中でも主に企業や団体などのメディアに乗る記事を書く仕事のことを言います。
ライターの働き方は、企業で雇われる働き方とフリーランスで仕事を請け負う働き方があります。
ここでおすすめするのはフリーランスのライターです。
ライターの報酬には、文字単価(1文字いくら)と記事単価(1記事いくら)があります。
基本的にライターのスキルや記事の媒体に応じて単価が変わります。
未経験のうちは1文字0.1円~0.5円の仕事しか請け負えないことが多いです。
3000文字の記事を書いたとしても300円~1500円しかもらえません。
ですが、経験やスキルを積むと1文字3円や5円の仕事を請け負えるようになります。
文字単価がそれだけ上がると、同じ3000文字の記事でも報酬は9,000円~15,000円と、格段に上がります。
慣れていけば1記事を完成させるスピードも上がるので、慣れれば慣れるほど、そしてスキルがあればあるほど稼げる仕事です。
記事の依頼はクラウドソーシングサイトで受注することができます。
なかには未経験者歓迎で記事の書き方を丁寧に教えてもらいながら仕事をさせてもらえる依頼もあります。
「記事なんて書いたことないし文章力にも自信がない」
という場合はライターの勉強をしながら、そういった依頼をまず受けてみるのがおすすめです。
記事の依頼の中には介護に関するものもあります。もしかしたらあなたの趣味に関するものもあるかもしれません。
今までの経験や趣味についての知識などが活かせる仕事なので
文章を考えたり、書き出したりすることが好きであればぜひ始めてみてください。
データ入力やWebライターの仕事を受注するなら仕事発注数の多いクラウドワークスがおすすめです。
給料の高い職場へ転職する
「今の職場では処遇改善加算を利用していない」「単純に給料が少ない」
そのような不満があるなら転職を考えてみるのもアリだと思います。
長くいた職場だからといって、そこが一番自分に合っているとは限りません。
探してみれば今以上にピッタリな職場が見つかるかもしれません。
夜勤専従がある職場に転職
夜勤で働くことに抵抗がなければ、夜勤専従のスタッフを募集している職場に転職するのもおすすめです。
夜勤専従とは夜勤帯でのみ働くことを言います。
この働き方の最大のメリットは夜勤手当を多くもらえることです。
それに加えて、深夜割増賃金(1.25倍)が支給されるので日勤に比べるとかなりの収入アップになります。
休みも日勤の仕事に比べて多くなるのでしっかり休むことができますし、空いた時間を副業に充てることもできます。
今までの生活リズムが崩れるデメリットはありますが、即収入アップにつながるので、一度検討してみてもいいでしょう。
介護士の夜勤専従とは?あなたの自由を増やす働き方がそこにある!
こちらの記事で夜勤専従について詳しく説明してありますので、是非一読下さい。
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まとめ
今回の記事では
- 令和4年2月の給料引き上げ
- 特定処遇改善加算
- 収入アップの方法
について
- 令和4年に5,000円~10,000円の給料引き上げを予定している。
- 介護士経験が10年あれば月8万円の処遇改善手当をもらえる。
- 管理者を目指す・副業をする・転職をするなどで収入アップ
などの情報をお伝えしました。給料引き上げについては、政府の今後の発表が待ち遠しいですね。
あなたの生活が少しでも豊かになり、さらに豊かな心で介護士業務ができるよう願っております。
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