介護士をしていると、よく問いかけられる言葉があります。
「介護の仕事って、大変でしょ?きつい仕事なのに、よく続けているね」
確かに日々大変な業務に追われていると、やりがいを見失ってしまうことも少なくありません。
しかし、介護の仕事には大変さを上回る喜びもあり、
「業務を通してモチベーションを取り戻す」ということもあるのです。
介護士としてのモチベーションを取り戻すヒントをお伝えしていきます。
今、モチベーションが上がらず悩んでいる介護士の方はぜひご覧ください。
介護士をしていて大変なこと
- 身体介助が多く、体力的にきつい。
- 施設系や病院系では勤務時間が不規則である。
- 1人1人に合ったケアが違うので、業務量が多い。
- やりがいやモチベーションを保つのが難しい。
特に「やりがいやモチベーションを保つ」という部分が難しく離職の理由では、
「やりがいが見つけられず嫌になってしまった」「介護自体が辛くなった」
という意見をよく耳にします。
介護士のやりがいとは
人によってやりがいは違うと思いますが、
- 利用者に寄り添い、サポートをすることで感謝してもらえる。
- 高齢者の方から学べるものが多く、自身の成長に繋がる。
- 「出来なかった事が出来た」という達成感を一緒に味わえる。
- 一人ではなくチームとなって助け合って働くことができる。
- 介護士としての専門性が成長する。
実際に介護士をしている人達は、こういった点にやりがいを感じていて、誰かのためになる、自身の成長にも繋がる、
また、チームで達成する喜びを、味わえる仕事なのです。
介護士の理念
介護福祉士の理念には、以下のように記載されています。
すべての人々の基本的人権を擁護し、一人ひとりの住民が心豊かな暮らしとと老後が送れるよう利用者本位の立場から自己決定を最大限尊重し、自立に向けた介護福祉サービスを提供していきます。
つまり、身体介助だけを行うだけではなく、専門的知識を使って、身体的にも精神的にも自立に向けたケアを提供していきます。
日々の多忙な介助業務はとても重要でありますが、介護士が求められていることは、自立に向けた支援を行うことです。
我々、介護士にできる自立に向けた支援には何があるのでしょうか。
介護士が取り組む自立支援とは
私たち介護士には、利用者本位の望む生活に向けてのサポートする立場であり、自立支援は利用者本位が大前提です。
そのためには、まず課題を分析することが基本であり、これが「アセスメント」と呼ばれます。
利用者の状態や生活環境などの情報を収集して、課題を明確にすること。
アセスメントについては、日常生活での距離が最も近い介護士が、より具体的に得られる場合があります。
アセスメントは自立支援の入り口なのです。
「自立支援」を通してやりがいを取り戻せた事例
自立支援の実践
「自立支援」の実践を通して、モチベーションを取り戻した私の知人の介護士Dさんの経験談をお話しします。
Dさんは、リハビリ型デイサービスに勤務していました。
そのデイサービスの利用者でAさんという80歳代の女性がおられ、ひとりで自宅暮らしをしていた時に、
玄関先で転倒され、大腿骨頸部骨折の重傷を負いました。
病院で手術とリハビリを受けて退院。
在宅に戻られてから、そのデイサービスに通っていました。
その際、介護保険申請をして介護度は要介護2という判定が出ました。
再アセスメントの検討
Aさんは、デイサービスに通い出した当初、リハビリに精力的に参加されていましたが、
2カ月が過ぎた頃から休みが増えてきていました。
Aさんのケアプランは当初「在宅での生活上、問題なく歩いて生活したい」という希望で作られており、
室内移動は、手すりがあればひとりで動けるまでに回復していました。
室内の移動はできるようになったにも関わらず、休みがちになってしまったことをきっかけに、
「Aさんの希望は、こんなぼんやりとしたものではないのではないか」とDさんは思うようになり、
Aさんのアセスメントの取り直しを考えていました。
しかし、日々の業務に追われ、Aさんのアセスメントが出来る時間が作れていなかったことに悩んでいました。
同僚への相談から問題解決へ向かう
Dさんは思いを同僚達に伝えたところ、複数の同僚もAさんのことが気になっていたことを知りました。
「Aさんのアセスメントに集中したい。その間、一般の業務から抜けてしまうことになるが、サポートをお願いできますか」
と同僚に依頼したところ、同僚達は快諾してくれ、業務のサポートを担ってくれました。
落ち着いた雰囲気の中で安心感が得られるように配慮し、場所や環境を考えてアセスメントを実施したことで、
Aさんは「ひとりでスーパーに買い物に行きたい」という今の希望を話してくれました。
しかし、半月ほど前、自宅内で物を落とした時に、かがんで拾うことに恐怖を感じたとのことでした。
スーパーの低い陳列棚の商品が取れない、かがむ姿勢が怖くて自信をなくしたことが、デイを休む理由となっていました。
Aさんの希望に沿ったリハビリを提供し、自宅でも安全にできるリハビリを実施していただくよう働き掛けました。
利用者の「本当の希望」を達成
Aさんの新たな希望をケアプランに組み、Aさんの現状の身体機能に合わせた自立支援をチーム全員で共有しました。
その結果、約2か月でAさんは自身の希望を達成し、介護度も再審査で要支援1まで回復することができました。
Aさんは今でもイキイキと在宅生活を継続できています。
この経験からDさんが得たもの
今回の経験でDさんは周りの同僚などに不安を打ち明けたり、自分の思っていることを吐き出すことの大切さを知りました。
介護は一人でしているのではなく、チームで利用者を支えていることに改めて気づくことができました。
丁寧なアセスメントを実施したことで、Aさんは今でも在宅生活を継続できていることがDさんのやりがいとなっています。
まとめ
当初思っていたやりがいが失われると、とても不安になってしまいます。
日々の業務に追われて、忙しい毎日が過ぎていくだけだと、より不安が増すもの。
だからもし、今悩んでいる介護士の方は、思い切って周りにいる同僚などに不安を打ち明けたり、
自分の思っていることを吐き出したりすることも状況を改善する一つの手段ではないかと思います。
自分が目指した介護士を思い返し、どうすればそれが達成できるのかを考え「行動」に移すことが大切です。
この記事があなたのモチベーションを取り戻すヒントになりましたら幸いです。
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