「落ち着いて働ける職場を探しています。」
「グループホームが気になっているのですが実際どんな感じですか?」
上記のような声にお応えします。
グループホームは「ともに生きる」ことをコンセプトに作られた認知症高齢者のための施設です。
落ち着いた空間の中で寄り添った介護ができるため、介護士の中でも人気の職場になっています。
とはいえ、認知症の方の対応や、調理業務など大変なこともありますよ。
今回は「転職を考えている方」に向けて、グループホームについて抑えておきたいポイントや、知っておくべきことをまとめました。
グループホームが気になっている方は必見の内容になっていますのでぜひ最後まで見ていってくださいね。
グループホームとは
グループホームとは、認知症の方を対象に少人数(5人から9人)を単位としてケアを提供している共同住居です。
グループホームは制度上「施設」ではなく「在宅」という扱いです。
よって看護師の配置はなく、医療行為やリハビリなどの難しい仕事はありませんよ。
グループホームの4つの仕事
では、グループホームの仕事内容について見ていきましょう。大まかに下記の4つに分類されますよ。
- 生活支援
- 身体介護
- 外出支援
- 事務業務
それぞれ簡単に見ていきましょう。
利用者のできる力を生かす「生活支援」
「料理」「洗濯」「掃除」など生活する上で必要な支援を、文字通り「生活支援」と言います。
「生活支援=家事」は全て介護士が行うわけではありません。
高齢者の「できる力」「残されている力」を「残存機能」と言います。
介護士は生活支援の中で「何ができるのかを見極めて、できることは任せる」ことで「残存機能」が生かせるように配慮します。
具体的には以下ですね。
- 洗濯物を干せない方は「たたむ」ことだけしてもらう
- 調理ができない方は配膳だけ行ってもらう
- 掃除ができるように掃除機のセッティングを行う
介護士は家政婦ではありません。
共同生活の中で、利用者ができることを見極めながら家事を依頼します。
利用者の手足の代りになる「身体介護」
身体介護は「直接、利用者の体に触れて行う行為」全般を差します。
- 食事介助
- 更衣・清拭・入浴介助
- 移動介助
- 起床・就寝介助
こうした「身体介護」は介護職には付きものですよね。
とはいえ、グループホームは平均介護度が低く、他の施設に比べて身体介護は少ない傾向にありますよ。
季節感を味わう「外出支援」
季節のイベントや、ちょっとした散歩などの外出支援を行うのも介護士の仕事のひとつですね。
- 初詣
- 花見
- 敬老会
- 食事、散歩、ドライブ
こうした支援は利用者の人数が多い大型の施設では難しい場合も。
グループホームのような小規模な事業所はフットワークが軽く外出しやすい傾向があります。
流行りの感染症も治まってきていますので、こうした支援は今後増えてくるでしょう。
事業所の運営には必要な「事務業務」
大型の施設では事務員などが行ってくれる事務作業も、グループホームのような小規模な事業所では介護士が行わなくてはなりません。
- 請求書の整理
- 物品発注
- 電話対応
- 来客対応
介護とは関係ないようですが、事業所の運営のためには必要なことですね。
グループホームの日勤ルーティーン
では実際のグループホームの一日を見ていきましょう。
下記は私の友人が実際に勤めていた事業所の例です。
「早出」「日勤」「遅出」「夜勤」の4つの勤務で回していました。
- 早出 7:00~16:00
- 日勤 8:30~17:30
- 遅出 11:00~20:00
- 夜勤 16:30~9:30
今回は「日勤」の具体的なスケジュールを見てみましょう。
時間 | 内容 |
8:00 | 出勤・カルテで情報収集 |
9:00 | 申し送り |
9:30 | 昼食準備・調理開始 |
12:00 | 利用者と一緒に昼食を摂る |
13:00 | 休憩 |
14:00 | 夕食準備・調理開始 |
16:00 | 記録・夜勤へ引き継ぎ |
17:00 | 夕食のセッティング |
17:30 | 退勤 |
なお、勤務時間や業務内容は事業所によって大きく異なりますよ。
グループホームの平均給与は約28万円
働く際に重要なのが給与ですよね。
厚生労働省のデータによるとグループホームに勤める介護士の平均給与は
- 常勤者「287,770円」
- 非常勤者「207,980円」
上記となっています。
またパート・アルバイトの平均時給は「1360円」となっていますよ。
グループホームは無資格でも働ける
もう一つ重要なのが働くための資格ですよね。
基本的にグループホームで働く際に資格は必要ありません。
むしろ身体介護が少なく、主な仕事が調理や、掃除などの家事業務のため未経験・無資格でも働きやすい職場だと言えます。
とはいえ、わずかですが身体介護もあります。
不安な方は「介護職員初任者研修」「実務者研修」が初心者向けで質の良い資格なのでおすすめです。
時間とお金に余裕がある方は取得しておくと良いですね。
介護士におすすめの資格「介護職員初任者研修」のメリットや取得方法を解説します!
介護士におすすめの資格「実務者研修」メリットと取得方法を解説
グループホームで働く4つのメリット
ここからはグループホームで働くメリットについて見ていきましょう。
- 認知症の対応スキルが上がる
- 家事支援のスキルが付く
- 入居者とゆっくり関われる
- 身体的負担が少ない
認知症の対応スキルが上がる
グループホームの入居者は全員が認知症です。
対応については慣れが必要ですが、日々勤務する中で対応スキルは確実に向上しますよ。
また、認知症について研修を行っているグループホームも多くあります。
高齢者施設には必ず認知症の方がいるので、こうしたスキルはどこへ行っても生かすことができますよ。
家事支援のスキルが付く
来年3月で会社を辞めようと思いますが、介護の仕事は好き。
最初に配属されたのは、グループホームという認知症の方だけが入居できる施設でした。
実家暮らしで家事を全くしないで社会人になった私。
料理・洗濯・風呂掃除といった家事は、全て認知症高齢者に教えてもらったのです。
— おさしみ@ (@osashimi___0343) May 19, 2021
グループホームで働くことで掃除、洗濯、料理などの家事支援スキルが付きますよ。
昨今、大型の施設でも施設内で区分けした小規模なユニットケアが増えてきています。
その場合は家事なども各ユニットで行うケースも考えられます。
訪問、在宅系のサービス以外でもこうした家事業務を生かすことができる場は増えてきていますよ。
入居者とゆっくり関われる
グループホームの人員配置基準は利用者3人に対して職員は1人です。
1ユニット=9人、「一つの事業所で2ユニットまで」という決まりがあるので、利用者の総数は多くて18人です。
人数が少なく、ひとりの利用者とゆっくり関われますよ。
「忙しいのが苦手」「人数が増えることで起こるマルチタスクが苦手」という方にはおすすめですね。
身体的負担が少ない
大型の施設に比べてグループホームの平均介護度は低く身体介護の割合は低くなっています。
それに伴って身体的負担も少ないのがグループホームの特徴ですね。
特別養護老人ホーム(大型施設)と比較した平均介護度は下記です。
- グループホーム 2.74
- 特別養護老人ホーム 3.94
参照:「厚生労働省 認知症対応型共同生活介護」「厚生労働省 介護老人福祉施設」
介護技術に自信がない方や、未経験者・無資格者には働きやすい環境ですね。
グループホームで働く3つのデメリット
メリットばかりではありません。グループホーム特有の注意点もありますよ。
- 人間関係が閉鎖的になりがち
- 給与は安い
- 調理業務が合わない場合がある
人間関係が閉鎖的になりがち
私はグループホームで7年働いて来ました。
中でも1番しんどかったのが「人間関係」
グループホームは職員の数が少なく閉鎖的になりがち。人間関係の逃げ場が無いんです😥
些細なきっかけで人間関係が崩壊することも。
良くも悪くも、人数が少ない分ひとりがみんなに与える影響が大きい😿
— うらパン@介護士 (@FuKu_0214) September 2, 2021
グループホームのような小規模な事業所は職員数が10名に満たない所もあり、人間関係が閉鎖的になりがちです。
少人数のため同じメンバーで勤務する率も高くなります。
苦手な人がいるときついかもしれませんね。
他の施設に比べて給与は安い
給与だけを考えるとグループホームはおすすめできません。
事業所別に見た時にグループホームは平均給与が低いためです。
施設 | 平均給与額 |
特別養護老人ホーム | 350,430円 |
介護老人保健施設 | 338,920円 |
訪問介護事業所 | 306,760円 |
通所リハビリテーション事業所 | 305,660円 |
グループホーム | 287,770円 |
小規模多機能型居宅介護事業所 | 287,980円 |
あくまでも平均ですが、特別養護老人ホームと約6万円の差があります。
年収ベースで60万円の差になるので転職の際に給与の確認は必須ですね。
ただ給与を上げる方法もあります。
下記の記事を参考にしてください。
家事業務が合わない場合がある
大型の施設に無い仕事が「家事業務」です。
特に調理に関しては不安に感じている方も多いようですね。
ただ下記のような方法で調理を行わない事業所もあります。
- 食宅サービスを利用している
- 専属の調理員がいる
- 料理は併設の事業所から提供している
- その他(総菜の利用など)
どうしても調理が苦手な方は上記のような事業所を選択するのもアリですね。
グループホームを探す際は具体的な業務内容も確認しておきましょうね。
グループホームでやりがいを感じる3つの瞬間
働く上でやりがいは重要ですよね。
グループホームでは具体的にどのような場面でやりがいを感じるのでしょうか?
例を見ていきましょう。
- 入居者の喜んでいる姿を身近で感じられた時
- 外出支援がとにかく楽しい
- 家族からありがとうと言われた時
入居者の喜んでいる姿を身近で感じられた時
大型施設では時間効率のみを求めて「排泄」「食事」「入浴」を流れ作業のように行うケースがあります。
当然、利用者とゆっくり関わる時間もありません。
一方でグループホームは1ユニット最大で9名。ひとりの入居者と密に関わることができます。
表情も観察しやすく間近で入居者の喜んでいる姿を感じることができますよ。
私もいくつかの職場を経験しましたが、最も入居者の感情を身近に感じられたのがグループホームでしたね。
外出支援がとにかく楽しい
昨日ドラッグストアで、グループホームの職員さんと利用者さんがお買い物にきてた。その姿が施設で働いてたときの自分に重なりました。大変な仕事だけど、やりがいはあります。職員さん頑張ってくださいと声をかけたくなった・・
— ロタちゃん (@rota_rousan) October 15, 2017
グループホームの平均介護度は「2.74」です。歩ける方が多く外出もしやすいですよ。
大型施設のように、「外出支援計画書」などの書類が必要ない事業所も多く
「今日、時間あるから買い物に行こうか」とその日の気分で外出することも。
外出支援は気を使いますが入居者もとても喜ばれます。
そういった姿を見ると職員も嬉しい気持ちになりますね。
家族からありがとうと言われた時
先程、事業所から103歳のお客様の訃報連絡がありました。
スタッフの方々、ケアに尽力してくれてありがとう。
素敵な終末期をありがとう。
ご家族からも直接連絡頂き、しっかり見送れて悔いなしって。
その言葉に我々はやりがいを感じます。#ターミナルケア#グループホーム#やりがい— か~くん (@m_k_k_m_shooi) September 28, 2020
実際にターミナルケアまでやる事業所は多くありません。
しかし、そこまでやって家族の方に感謝されたときはやりがいを感じずにはいられませんよね。
グループホームは小規模のため、家族と密に関わることができますよ。
家族との関わりは大変なこともありますが、「いつもありがとうございます」と頭を下げられると気合が入りますね。
グループホームに向いている人の特徴は3つ
では、どんな人がグループホームに向いているのでしょうか?
実際にグループホームでも勤務経験がある私が向いている人の特徴を3つ上げてみました。
なお「強いて言うならこの3つ」といった程度なので、当てはまらなくてもOKです。
基本的にやる気があるなら誰でも歓迎ですよ。
- 入居者とゆっくり関わりたい人
- 落ち着いた雰囲気のある人
- 認知症の対応を学びたい人
では見ていきましょう。
入居者とゆっくり関わりたい人
グループホームでは「落ち着いた家庭的な雰囲気」の中で入居者の介護を行います。
入居者の人数も1ユニット9人と少ないので入居者とゆっくり関わることができますよ。
実際にそういった関わりを求めて転職してくる人もいます。
落ち着いた雰囲気のある人
認知症高齢者で会話ができない方でも「職員がかもし出す雰囲気」はしっかり伝わっています。
忙しそうな雰囲気や、イライラしていると相手にも伝わり、利用者は「不穏」になってしまいます。
なのでベテランになると忙しくても「落ち着いてる演技」をすることも。
こういった演技もケアのひとつなんです。
正直、「怒りっぽい方」「せかせかした方」は認知症の対応には向いていません。
逆にベースが「穏やかな性格の方」はグループホームに向いていると言えますね。
認知症を学びたい人
グループホームの入居者は全員が認知症です。
認知症の対応は奥が深く、その対応や技術を学びたい人にとってグループホームは最適な環境です。
「認知症ケア専門士」「認知症キャラバンメイト」など関連資格が多数あるので、現場で技術を学びながら資格を取ってキャリアアップしていくのもアリですね。
理想のグループホームを選ぶ方法
ここまでグループホームについて見てきましたが、「どうすれば理想の職場が見つかるの?」という話ですよね。
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まとめ
今回の記事では下記のことを解説しました。
- グループホームの仕事内容
- グループホームのスケジュール
- グループホームで働くメリット・デメリット
- グループホームのやりがい
- グループホームに向いている人
- 理想のグループホームを見つける方法
昨今、大型の施設よりも「少人数で落ち着いた環境」が介護に適していると言われています。
小規模な事業所は徐々にですが増えてきていますよ。
介護士としても利用者と関わりやすく、働きやすいグループホームは人気です。
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