介護士の仕事はご利用者との信頼関係が基本となります。
この信頼関係の構築が上手く行かずに悩んでいる貴方。
ご利用者に信頼されて、好かれる介護士とはどういった人なのか考えたことはありませんか?
その答えの一つに「接遇マナー」といったスキルを活用する方法があります。
近年、介護サービスの多様化で接遇などのマナーを重視する介護施設が増えてきました。
「接遇マナー」のスキルを、アップすることで信頼してもらえる介護士になれるよう解説していきます。
接遇とは
接遇とは、相手の気持ちを汲み取って、思いやりの心を持って相手に接することです。
接客と混同されがちですが、接客とは「客と接する」ということであり、必要最低限のサービスを提供することであります。
一方、接遇の「遇」は「もてなす」という漢字の意味があります。
この接遇を重視してサービスを提供する職種は販売業などが主流ですが、最近では医療や福祉、教育の現場でも求められる時代となってきました。
接遇マナーを身に付けるメリット
ご利用者に信頼される
接遇マナーを身につけることのメリットととしては、ご利用者からの信頼を得られることでしょう。
傾聴や思いやりを持った対応をすることで、ご利用者は自分のことをちゃんと考えてくれているという思いを持つものと思います。
貴方が信頼を寄せる人はどんな人ですか?
その人の振る舞い方や、対応をご自身の姿に置き換えることで、信頼される介護士に近づくと考えます。
また、信頼されると、利用者さんも協力的になってくれるので、仕事もスムーズにしやすいですし、クレームも減ってきます。
信頼している人と信頼がない人が同じ失敗をしたとしても、許せるかどうか変わってきますよね。
職場の雰囲気が良くなる
接遇マナーを身につけることで得られるメリットとして、職場の雰囲気が良くなる効果があります。
節度ある言葉遣いや態度は、ご利用者だけではなく、職員間の関係性も良い方向に構築できるのでないでしょうか。
また、挨拶なども自分から率先して行うことで、信頼関係を基本としたチームワークの向上にも繋がります。
自身のスキルアップにもなる
接遇マナーを身につけることで、介護士としてだけではなく、人として成長できる部分が多いにあることでしょう。
貴方自身のキャリアアップにも繋がり、将来的に管理者などになるためには、相応の接遇マナーが必要となります。
人との信頼関係が築ける人は、職場の責任者として、とても大事なことです。
接遇マナー5原則
上記で、メリットを解説しましたが接遇マナーには5つの原則があると言われています。
- 挨拶
- 言葉遣い
- 表情
- 態度
- 身だしなみ
これらが接遇マナーの基礎となりますので一つずつ解説していきます。
挨拶
挨拶は人間関係を構築する基本とも言えます。
こちらから先に相手の目を見て、大きく、ハッキリとゆっくりした口調で、正面に立って行いましょう。
こちらから挨拶をする理由としては、以下のような意志も隠れていると言われています。
- 貴方の存在を認識しているという意思表示である
- 貴方に対して、心を開いているという意思表示である
人は、自分の存在を認識してほしいという欲求があります。
挨拶は、その欲求を満たしつつ、こちらは貴方に対して心を開いているのだと思っていることを伝えることができるのです。
近年はマスクを着用していることが多く、相手の顔や表情が見えづらくなつまていますよね。
そうなるとどうしても人との壁の感じやすくなってしまいますが、挨拶はその壁を取り払うことができるのです。
言葉遣い
言葉遣いは心遣いということを聞いたことがあります。
相手に思いやりの心を届けられるコミュニケーションスキルです。
感謝を伝えたり、気持ちを共有したりすることができます。
しかし、介護の現場では、そんな言葉遣いが問題になってしまうことが多くあります。
例えば、糖尿病を患っているご利用者に対して、「これ以上、甘い物を食べてはダメ」というような言葉遣いです。
介護士はご利用者の身体のことを思うが故、どうしても指示・命令口調になりがちですよね。
こういった言葉遣いは、こちらの要求を押しつけているだけで、ご利用者の尊厳を守っているとは言えません。
そこで、対処法の一つとして、表現を優しくしてください。
「甘い物はこれ以上は、控えてくださいますか」といった様な表現にするだけでも、かなり印象は柔らかくなります。
「~ダメ」や「~しないで」といった子供に対する躾の言葉は接遇とはかけ離れており、心遣いではないのです。
表情
表情についても近年はマスクの影響で目元の印象でのみ表情を読み取ることになります。
マスクの下の表情は笑顔であっても目が笑っていない雰囲気があると、相手が取る印象は180度変わったものになってしまいます。
目だけで、表情を柔らかくするトレーニングは、自分で出来ます。
鏡の前でマスクをしたまま、目を細めて、目じりを下げてみてください。
いかがですか?
優しく微笑んでいる表情になっていませんか?
併せて、行っていただきたいことは、心から笑顔で居ることを心がけてください。
表面的な笑顔ってなぜか、わかってしまいますよね。
思いやりがある笑顔は心から滲み出るものです。
態度
接遇マナーとして気を付けたい態度は、人によって変えないことです。
特に介護施設で働いている介護士は、認知症を患っている方とそうでない方への態度を変えてしまう機会が多く見受けられます。
尊厳を守るという観点からも、適切ではないということがわかりますよね。
また、腕組みをして偉そうな立ち方や肩を大きく揺らしながら歩く姿は、とても良い態度とは言えません。
また、猫背のままで歩いていたり、足を組んで椅子に座っている姿勢でも好印象が得られないといったこともあります。
常に介護士は、ご利用者やご家族、他の職員から見られています。
そのことを意識するだけでも、ご自身の立ち振る舞い方にも違いが出てくると思います。
身だしなみ
髪型や服装といった身だしなみは近年では特徴といったポジティブな考え方をする事業者も増えました。
しかし、多くの介護士は高齢者の方を対象にサービスを行う職種です。
今風な身だしなみをすることのメリットはほとんど無く、むしろ清潔感がある髪型や服装が好まれます。
おしゃれなどをしたいのであれば、休日に楽しんでください。
このように5原則の根底には、思いやりを持った人間であるかを示すものさしとなります。
このものさしが、自身の立ち振る舞いに大いに影響を与えるものであると考えられます。
接遇の実践紹介
ここからは接遇の考え方に基づいた、介護現場で使える実践方法を紹介していきます。
目線の高さを合わせる
まずは、ご利用者など、サービスを提供する相手と目線の高さを合わせることです。
接遇5原則で言うと、「挨拶」や「表情」と「態度」を活かしていくとより効果的になると思います。
ご利用者は車椅子を使用されている方や、ベッド上での生活がほとんどの方など様々です。
まずは挨拶ですが、相手との目線を高さを合わせた上で行いましょう。
また、相手の目を見て行うことで意思疎通が図られたのか確認ができます。
次に、会話中ですが、上記の写真のような目線の高さがベストですね。
話しをする時に、上を向きながら(顎を上げた状態)だと、首などが疲れてくることもあります。
ご利用者の立場で落ち着いて会話するには、少しうつむき加減の方がゆっくりと会話できることと思います。
そして表情にも気を付けていきましょう。
マスクをしていると、目元の印象のみで表情を読取ります。
相手との距離が近づく程に、目元の雰囲気はより具体的に見えてきます。
心から、笑顔で居ることを意識していきましょう。
また、態度にも関連しますが、話している人の目線が上からだと、威圧感や不快感を感じませんか?
ご利用者は人生の先輩でもあり、サービスを提供しているお客様ですので、介護士が立ったまま見下ろして会話することは、
何らかの事情がある場合を除いて、絶対に避けるべきでしょう。
傾聴する
次に傾聴ですが、傾聴とはただ話しを聞くだけではありません。
耳や目、心を傾けて話しを聴くコミュニケーション手法です。
コミュニケーション手法として求めらる傾聴の姿勢とは、
- 相手の立場になって共感しながら聴く
- 話しを否定的に捉えず興味を持って聴く
- 聴く側も話しの理解を怠らず、時には質問して共有する
接遇5原則で言うと、5つとも関連してきますが、特に関連性が強いのは「表情」「態度」でしょう。
傾聴は、相手の立場になって話しを聴いていきますので、無表情であったり、聴いてくれているのか不安にさせてしまうと傾聴にはなりません。
- 会話の中で相槌を打つ
- 共感しているということの意思表示のため、言葉をオウム返しする
- 相手の表情に、自分の表情も合わせる
こういった風に話しを聴いてくれる人が居たら、貴方もどんどん話しをしたくなりませんか?
そして、傾聴する際はポジショニング(位置関係)にも注意していきましょう。
話しをするときは、対面はなるべく避けて、真横や斜め横で話しを聴くようにすれば威圧感や不安感が軽減されることがあります。
距離感を大切にする
ご利用者と密に接する介護士は介助時以外の距離感にも配慮が必要となります。
そのことをパーソナルスペースと言い、プライバシーを侵害しないことです。
このパーソナルスペース(個人の空間)は人それぞれで違い、距離として50センチや1メートルなどといった物理的な距離ではありません。
接遇5原則の関連で見ていくと、「挨拶」「身だしなみ」といったところでしょう。
挨拶の時の距離感はどのくらいがベストでしょうか。
一般的な場合は2~3m程が良いとされていますが、介護施設の中や、ご利用者の居室内では1m以内が良いでしょう。
関係性がある程度できている方には、グッと近寄って挨拶することも効果的ですね。
また、介護士はご利用者との距離が近い職種ですので、ご自身の臭いでご利用者の気分を不快にさせてしまうこともあります。
香水はもちろん、過度な消臭スプレーなどの匂いでも気分を害すことがありますので注意しましょう。
対策としては香水は付けないことと、汗などは小まめに拭き取るようにしましょう。
思いやりの心を持つ
思いやりとは相手の立場になって相手が望むことを何なのかを考えて接することでしょう。
介護士は元々、この思いやりといった接し方を実践している職種でもあると思います。
ご利用者が高齢になり出来なくなってしまったことをサポートする介護サービスは、ご利用者本位の希望を叶えるためのものです。
介護する側の意思や思いを押し付けることではありませんので、まさに思いやりを持った対応を心掛けましょう。
接遇5原則との関連性は5つ全てです。
「思いやり」というのは、接遇そのものであり、接遇の5原則は思いやりの精神を細分化したものであると、私は捉えています。
思いやりを持った挨拶や言葉遣い、態度や表情といった行動、そして相手を思った身だしなみ全ては、ご自身の意識の持ち方で左右されます。
ですから、信頼される介護士を目指すなら、接遇マナーを身につけるべきなのです。
接遇マナーを身につけるには
では、どのようにして接遇マナーを学び、身につければ良いのか解説していきます。
現場での実践
この記事で紹介した方法は実践して行かなければ身につかないものです。
目線を合わせるといった所は意識すれば直ぐに取り組めるものだと思います。
接遇マナーは一朝一夕で身につくものではありませんので、焦らずにご自身のペースで実践してみてください。
スタッフ間でのグループワーク
次に、実践している現場での接遇対応はどうなのか、スタッフ間で討議するグループワークも効果的です。
自身の立ち振る舞いや、言動などは客観的に他人に見てもらうことが一番の気づきになります。
勤務中、常に接遇だけを意識して業務することは、初めからできるものではありません。
日々の積み重ねの中で、自然に出来るようになるためには、良くない所を受け入れて改善することも大事です。
グループワークでは、少人数だからこそ言い合える雰囲気だと思います。
感じた印象や、改善できるポイントなど、身につくまで互いに指摘しあいながら討議を行ってみてください。
職場での接遇研修
また、近年の介護施設では接遇研修を積極的に取り入れている職場も多くあります。
接遇というのはスキルですのでプロから学ぶこともできるのです。
例えばホテルやCAなどを経験したプロが教えてくれるような外部講師を活用することも効果です。
プロの視点でも評価してもらうことで、どこでも通用する接遇マナーのスキルが身につくことでしょう。
まとめ
接遇マナーについて解説してきましたがいかがでしたか?
介護士はご利用者と信頼関係を軸に介護サービスを提供し、生活をサポートしています。
信頼関係を築くには節度ある対応や言葉遣いなどが自然に振る舞えて実践できる人がご利用者に好かれるポイントだと思います。
接遇マナーを身につけると、仕事以外の人間関係にも良い影響をもたらしてくれることがあるかもしれませんね。
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