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介護士の人手不足とは本当?これから目指すのはチャンス!?

介護士は人手不足だと、よくメディアでも取り上げられてますよね。

確かに、この国のこれからにとって、介護士が不足することは大きな問題です。

介護士は「大変そう」、「給料が低いみたい」など、イメージが先行して、介護士という職業が違った目で見られているのではないでしょうか。

この記事では、これから介護士を目指そうと考えている方の不安が解消できるように解説していきたいと思います。

介護士が人手不足な理由

超高齢社会と少子化問題

日本の総人口は令和元(2019)年10月1日現在、1億2,617万人となっています。

では、65歳以上の高齢者の割合を見ていきます。

65歳以上の人口 高齢化率 65歳以上の国民1人あたりの割合
令和元(2019)年 3589万人 28.4% 約3.5人に1人
令和17(2035)年 7740万人 32.8%  約3人に1人
令和47(2065)年 5427万人 38.4% 約2.6人に1人
図1-1-2 高齢化の推移と将来推計

このように、我が国は高齢化率の上昇が加速しており、超高齢社会と言われる要因になっています。

高齢者が増えているため、介護士の需要がますます高まっていきます。

次に、日本が抱える少子化問題については出生数が減少を続けています。

令和2(2020)年の90万人から、令和47(2065)年には56万人になると推計されています。

この減少により、年少人口(0~14歳)は令和38(2056)年に1,000万人を割る予想が出ています。

また、令和47(2065)年には898万人と、半分程度になる予想です。

この少子化の問題で、介護士になる人が少ないといったことから、人手不足を起こしているのでしょう。

図1-1-3 出生数及び死亡数の将来推計

出典:内閣府「令和2年版高齢社会白書」

高齢化により介護士の需要は増え続ける

人口が減少し、高齢化が進み、働き世代が減少するといわれている日本のこれからですが、

何とか介護職員の数を増やしていかなくてはいけません。

厚生労働省が2021年に発表した、「介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数」によると、

必要な介護職員の数は2019年度の211万人から、2025年度には約243万人(2019年度の職員数の+32万人)、

2040年度には約280万人(同じく2019年度から+69万人)の追加が必要であるとされました。

第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について

出典:第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について

採用の難しさ&離職率の高さ

介護労働安定センターの令和2年度の実態調査によると「慢性的な人手不足を感じている」という介護系の事業所が約7割もありました。

不足を感じている理由で最も高かったのは、「職員採用が困難である」という回答が約9割近くを占めていました。

次に高かったのは「離職率が高い」という回答で約2割となっています。

職員採用が困難である

職員が不足している理由を「採用が困難である」と回答した事業所は9割ありました。

なぜ多くの事業所が職員の採用が困難であると考えているのでしょうか。

同調査では、「他産業に比べて労働条件が良くない」「同業他社との人材獲得競争が激しい」といった内容であり、

この2つが原因であると考える事業所が5割を超えています。

その他は「景気が良いため介護業界へ人材が集まらない」といった声が約2割弱となっています。

どこの介護事業所も人手が足りないため、介護職を希望してくれる貴重な人材を取り合う形になっているものと思われます。

社会的に見ても、景気の波が上がりつつある現在は、他産業の大手企業なども人材獲得に向けて精力的に動いています。

他産業の大手企業は給与や待遇面で安定感があるので、介護業界よりも選ぶ人が多くなっているのではと考えられます。

出典:厚生労働省 介護人材の確保・介護現場の革新 

離職率が高い

次に介護士が不足する理由としては、離職率が高いということでした。

かつては、離職率が20%を超えていた時代もありました。

そういったことが原因で、未だに介護士は大変であり、辞める人が多いというイメージが根深くあるのでしょう

しかし、介護労働安定センターの2020年度調査によると、介護職の離職率は14.9%となっており全産業平均が14.2%でした。

上記の数字を見ると、介護職の離職率がそれほど突飛しているわけではないことがわかります。

ここ数年の推移でも、介護職の離職率は改善傾向にあります。

平成25年度 平成27年度 平成29年度 令和元年度 令和2年度
16.6% 16.5% 16.2% 15.4% 14.9%

出典:介護労働安定センター令和2年度介護労働実態調査経年変化(離職率)訪問介護員と介護職員の計

上記の推計から言えることは、他産業と比較しても大きな差はありません。

しかし、人手不足だと感じてしまうのは職員が定着しないことが原因ではないでしょうか。

現場では日々、人手が不足しているといった中で、採用が困難なため、なかなか職員の補充が出来ていない現状があります。

新しい職員が入ってきても直ぐに辞めてしまうと、現場は人手不足のまま変わらずです。

こういった実情を繰り返していくと、

現場は、職員の定着率が悪い=離職率が高いと思ってしまう傾向にあるのではないでしょうか。

介護士が退職する理由

平成29年度の介護労働実態調査で「介護を辞めた理由」では、

  • 職場の人間関係に問題があったため
  • 法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため
  • 収入が少なかったため

この3つのポイントに絞って、見ていきましょう。

職場の人間関係に問題があったため

介護は人と人が関わり合う仕事ですので、中には自分と折り合いがつかないご利用者や、無理を言ってくるご家族もいらっしゃいます。

その際にどのように対応すれば良いのかなど、人間関係で悩む場面も少なくありません。

また、同僚や上司、部下などの職員間での関係性でも同じく悩んでいる人はかなり多いものと見受けられます。

介護労働実態調査では、介護を辞めた理由の1位に「職場の人間関係に問題があったため」となっています。

  • 感情の起伏が激しい上司の指示が毎回違って困る
  • 職場内で派閥があるので、いじめられないかいつも心配
  • ご利用者の家族からの、ケア要求が多く、対応しきれない

これらの、具体的な内容は、私の経験談です。

補足ですが、人間関係が良好なのか、そうでないのかは、職場を見れば大抵は雰囲気で伝わってきます。

もし、これから介護施設の面接などを受ける時には、職場見学も一緒に打診してみると良いでしょう。

働いている職員の表情や、ご利用者の表情から、何か感じれるものが有るかもしれません。

出典:介護労働安定センター 平成29年度介護労働実態調査

法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため

先程の実態調査では、「法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため」という理由が3位になっています。

介護職は3K(きつい、汚い、危険)といった理由で退職してしまう人も多いでしょう。

ご利用者の身体介護では、自分より大柄な方の移乗介助や、入浴介助などで体力的な負担が高いことが言えます。

また、人手不足が原因で、ご利用者ひとり一人に合わせたケアが、なかなか行えない場合があります。

給与面での不満

次に、「収入が少なかった」という理由についてです。

介護職は給料が少ないといった世間のイメージも強いでしょう。

実際に、介護職員は雇用形態で変動はありますが、令和2年度調査によると常勤の正社員で平均年収は350万円前後でした。

日本における平均年収は430万円前後であるため、介護職は平均よりも低いと言えます。

人間関係に悩まされたり、自身の身体を酷使する仕事であるにも関わらず給料も安いと、「退職」を考えてしまいますよね。

3Kの介護士だけど、これからはチャンス!?

どうしてもあまりいいイメージを持ちにくい介護士ですが、人手不足なところが多い一方で需要が高いため、仕事につきやすいという意味でまずチャンスです。

さらに、以下のような要素があるので、介護士という仕事は強みになってきますよ。

給与・待遇面のサポートが拡充している

介護士の退職理由として「給料が安い」といった理由を挙げましたが、徐々に賃金の改善傾向が見られます。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査などから調べた結果、介護士全体の平均月収額は、増加している傾向がわかりました。

平成22(2010)年は約23万円でしたが、令和元(2019)年には25万円となっており、毎年2000円〜5000円の増加が続いています。

出典:厚生労働省 賃金構造基本統計調査

これには、平成21(2009)年に処遇改善交付金として政府が取組みをスタートした処遇改善の効果が出ています。

こらからも、政府は介護人材不足の改善に力を入れつつありますので、様々な処遇改善をこれからも出していくものと考えれます。

働き方の多様性が広がっている

介護職は、正社員や派遣社員、パート社員などの雇用形態が様々であり、自分の働きたい時間に応じて柔軟に対応し易い職種です。

入所施設などの施設は、24時間365日介護が必要になるため、夜勤を含めたローテーションの勤務が一般的となっています。

一方で夜勤専従という、夜勤のみの勤務体系ですので昼間は自身で、自由に時間が使えることもメリットではないでしょうか。

こういったように、労働者側が働き方を選択できることで、自身のライフスタイルを大切にしながら働けるようになってきています。

介護士はAIにはない本質がある

介護士のこれからを考える上でも、特に重要性が高いのは、AIによる仕事の削減ではないでしょうか。

このAIの導入で、今ある仕事の半数は、将来は代替えされるのではといった話しを聞くことも増えました。

確かに、AIを導入することによってのメリットはたくさんあります。

  • 介護記録類のペーパーレス化
  • 介護ロボットによる身体介護補助
  • 見守りシステムを活用したご利用者の安全性の確保

ですが、介護士の仕事はAIでは代替えできない本質があります。

それは、ご利用者ひとり一人に寄り添って向き合うことです。

介護士の仕事は身体介護や生活支援を行うだけではなく、ご利用者ひとり一人の生活に寄り添いながら希望を汲み取ることも必要です。

人間には感情というものがありますので、思いやりやコミュニケーションを通した信頼関係は、人間の強みでしょう。

AIによって代替えできる部分は代替えしても、人間の本質に関わる所は人間にしかできない。

介護士は代替えが効かない職種です!

未経験からでもキャリアアップ制度が充実している

これからの介護士を考える上で、介護の専門性を確立することが重要となってくるのではないでしょうか。

介護士は未経験からでも始められます。

一方、介護士は誰でもできる職業と捉えられるところがあります。

こうした理由から、介護士の専門性が薄くなっているのが現状であると考えられます。

専門性を高めるためには、介護士としてのキャリアアップをしていくことが大事になってきます。

介護士の資格で代表的な介護福祉士は、介護系職種の中で唯一の国家資格です。

介護事業所なども、キャリアアップのための資格取得にも積極的にサポートしてくれる施設が増えていくのではないでしょうか。

参考として、介護職の一般的なキャリアアップの一例を紹介します。

まとめ

高齢化が進み、介護士の需要が高まる中、少子化のため介護士が不足する現状となっています。

その中、介護の現場では不足する人材を補うために、様々な対応で乗り切っています。

また国も処遇改善に本格的に参画している観点も含め、以下の点から、介護士は将来性が見込める職種であると私は考えます。

  • 処遇改善などの政府の取り組みが今後も増えつつあり、給与面の増加傾向である
  • 介護士としての働き方が多様化していることで、自分に合った働き方が選べる
  • AIには負けない、人間の本質が介護の強み
  • 資格取得や研修などでキャリアアップが目指せる

これから介護士を目指すあなたには、今がチャンスの時であると、私は思います。

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