介護の職場は女性が多いというイメージはありませんか?
女性社会=人間関係が大変そうと心配になってしまうかもしれませんね。
働く上で人間関係は重要になるので、これから職場を探す際には気にしておきたいポイントです。
そこで、今回は介護歴30年の私が「介護士の人間関係の特徴」「職場を探す際の注意点」を解説していきますよ。
「女性社会を渡っていく際の注意点」についても言及しているので、これからの社会生活のヒントなります。
ぜひ最後まで読んでいってくださいね。
介護士の人間関係の4つの特徴
人間関係は「仕事を続けるか」を左右するほどの重要な要素です。
実際に介護労働安定センターの調査では退職理由の上位に「人間関係」が上がっていますよ。
- 収入に不満・自分の将来に見通しが立たない30.6%
- 職場の人間関係に問題があったため23.9%
- 結婚、出産、育児のため19.9%
では介護士の人間関係はどのようなものでしょうか?特徴をお伝えしていきますよ。
- 圧倒的な女性社会である
- 人間関係は閉鎖的になりがち
- 「利用者」「家族」「職員」の3つの人間関係がある
- 他職種とも交流できる
圧倒的な女性社会である
介護士の職場は女性社会です。
実際の男女の割合は下記です。
- 男性が:20.9%
- 女性が:72.3%
男性が増えてきているとは言え、介護業界はまだまだ女性社会です。
女性特有の人間関係には、下記の特徴が上げられますよ。
- 理屈より感情を優先させる
- 仕事と関係ない所で好き嫌いがある
- 派閥・グループを作る
- 陰口・噂話・ムダ話が多い
- おつぼねがいる
少し偏った見方かもしれませんが、大なり小なり上記のようなことがあります。
女性社会の攻略方法は記事の終盤で紹介していますね。
人間関係は閉鎖的になりがち
介護士の人間関係は基本的に事業所内で完結しています。
例えば「営業で他の企業の方と関わる」「飲食店で色々なお客さんと関わる」ということはありません。
介護士の人間関係は「施設の中」という特殊な空間で閉鎖的になりがちです。
常に同じ職員で勤務することになるため、人間関係に閉塞感を持ちやすくなっています。
特に、小規模な事業所は苦手な職員がいても「他ユニットに異動する」という手段は取れないので要注意ですよ。
大型の施設は比較的に職員の人数も多く、部署異動もしやすいので、人間関係を構築するのが苦手な方はそちらを選択しましょう。
逆を言えば毎日同じメンバーで仕事をするので「仲は深めやすい」というメリットもありますよ。
「職員」「利用者」「家族」の3つの人間関係がある
介護士の人間関係の特徴として「職員」「利用者」「家族」の3つの人間関係があることが上げられます。
「悩みも3倍になるのか?」というと、そういうわけでもありません。
介護労働安定センターの調査では「家族」「利用者」に対しての不安・悩みは
- 「利用者に適切なケアができているか不安がある」 40.9%
- 「介護事故で利用者に怪我をおわせてしまう不安がある」 24.2%
上記です。
「クレーマーに困っている」というありがちな回答はありません。
むしろ介護士が仕事に真摯に向き合っているからこそ起こる悩みだと感じますね。
職員に対しての悩み、不安、不満等(複数回答)は下記です。
- 「自分と合わない上司や同僚がいる」21.2%
- 「部下の指導が難しい」が 20.3%
こちらの方が根が深そうですよね。
私の経験上、退職理由で多いのは「職員同士の人間関係」です。
注意点については記事の終盤でお話しますね。
他職種とも交流できる
上記で「人間関係が閉鎖的」という話をしましたが
大型の施設に限って「様々な職種と関われる」という特徴もあります。
例えば下記ですね。
- 医療職(医師・看護師)
- リハビリ職(理学療法士、作業療法士)
- 歯科衛生士
- 相談職(ケアマネジャー・生活相談員)
特に、「介護老人保健施設」「特別養護老人ホーム」などの大型の施設では、職種の数も豊富ですね。
色々な職種と関わることで刺激があり、仕事にも張りが出ます。
逆に、そんな関わりはいらない場合は小規模の事業所を選択しましょう。
人間関係が悪い職場を見極める方法
介護業界に限りませんが、中には人間関係が悪い職場は必ず存在します。
では、どうやって人間関係が良い職場を探せばいいのでしょうか。
介護の職場で人間関係が良い職場を探すなら、下記の3つに注意しましょう。
- 事業所の男女比率を調べる
- 事業所の離職率を調べる
- 転職エージェントを利用する
事業所の男女比率を調べる
どれくらい男性がいるかは女性社会の介護業界では重要です。
私の経験上、職場に男性がいると
- ズバッと意見を言ってくれるので仕事も上手く回る
- 男性がいることで人間関係がマイルドになる
- お局さんがおとなしくなる
- その場の雰囲気がシンプルに明るくなる
という効果があります。
参考までに実際の男女比率を見ると
男性 | 女性 | 無回答 | |
全体 | 20.9% | 72.3% | 6.9% |
訪問系サービス | 14.5% | 77.9% | 7.6% |
施設系サービス | 33.1% | 62.3% | 4.6% |
上記となっています。
私の経験則ですが、男性が全体の3割もいれば、概ねひとつの勤務帯に一人は男性職員がいることになります。
少なくとも2~3割の男性職員がいる職場を探してみましょう。
中には女性100%の職場もありますが、人間関係が難しい場合があるので注意しましょう。
事業所の離職率を調べる
離職率は必ず確認しておきましょう。
2020年度の介護職の離職率は14.9%です。
比較として別の職種を見てみると、最も離職率が高い業種が
- 宿泊業、飲食サービス業26.9%
- 生活関連サービス業・娯楽業23.9%
- サービス業(他に分類されないもの)19.9%
上記となっています。
また、もっとも離職率が低い業種が
- 建設業9.2%
- 複合サービス事業9.3%
- 製造業9.4%
上記の3つとなっています。
介護職は他業種と比較しても女性の比率が高い業種です。
女性特有の「結婚、出産、育児のため」の離職があるとはいえ、離職率はそこまで高くないことが分かりますよね。
冒頭でも話しましたが離職する原因の多くは「人間関係」です。
シンプルに「離職率が高い=人間関係が悪い」可能性があるので要注意ですよ。
離職率が20%以上になると、他業種と比較しても高い数字であると言えるので、「これは何かあるな」と考えましょう。
転職エージェントを利用する
どうしても不安なら転職エージェントを利用するのもアリですね。
転職エージェントとは「転職相談」「求人紹介」「転職サポート」を無料で受けられるサービスのことです。
事業所の「人間関係」「職場の雰囲気」などの内部情報も持っているので、「人間関係が良い職場」についても詳しいですよ。
転職エージェントの中でも特におすすめなのがきらケア介護です。
求人数も豊富で、大手だけあってサポートも充実しています。
当然、「人間関係が良い職場を紹介して欲しい」という求人ニーズは経験済みなので頼りになりますよ。
詳細は下記を参考にしてください。
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介護士の人間関係が上手くいく8つコツ
どれだけ良い職場を探しても、良好な人間関係を築くためには「自分の立ち振る舞い」や「仕事への姿勢」にも注意する必要があります。
そこでここからは、介護士の人間関係が上手くいくコツを紹介していきますね。
なお「介護業界=女性社会」ですから、その人間関係を攻略する=女性社会を攻略するということになります。
なので下記は「女性社会の攻略法」だと思って下さい。
- 愚痴や陰口には「同意」も「否定」もしない
- 「あいさつ」はきちんとする
- 関わる人は厳選する
- 男女で態度を変えない
- 目立ち過ぎない
- 最低限の仕事はしっかりこなす
- お局様には要注意
- 独自のキャラを作り上げる
それぞれ見ていきますよ。
愚痴や陰口には「同意」も「否定」もしない
女性の職場でよくあるのが愚痴や陰口です。
特に介護現場では仕事中や休憩時間も他職員と一緒に過ごす時間が多いので、愚痴や陰口に付き合わされる時間も多くなりがちです。
この陰口が曲者です。
否定しても同意しても人間関係を壊す原因になりますよ。
- 否定する→「陰口を言っている人」との関係が悪くなる
- 同意する→「陰口を言われている人」との関係が悪くなる
否定すれば「あいつの味方するの?」と変な空気になります。
同意すると「あの人も○○って言ってたよ」と後で仲間扱かいされてしまいます。
愚痴や陰口は「否定」も「同意」もしないことが重要ですよ。
くだらない内容でもグッとこらえて「そうなんですか」「大変ですね」と「否定」でも「肯定」でもない絶妙なあいづちを打ちましょう。
「あいさつ」はきちんとする
「あいさつ」は人間関係の基本です。
どんなに仕事ができても「あいさつ」や「お礼」が言えない人は人間関係が上手くいきません。
例えば以下のような状況はどうでしょうか。
- 朝一番、「おはようございます!」ニコッと気持ちよく挨拶する新人職員
- 朝一番、「・・・。」ムスっと無言で通り過ぎるベテラン職員
この二択、どちらと一緒に仕事がしたいでしょうか?
私なら、たとえ仕事が出来ない新人でも前者を選びます。
「あいさつ」や「お礼」には不思議なパワーがあります。
気持ちよく挨拶すると自分も気分が良くなりますよ。
関わる人はしっかり見極める
プライベートで関わる人はしっかり見極めましょう。
特に噂好きの人には要注意ですよ。
下記は実際にあった筆者の友人の体験です。
職場の数名で飲み会に行くことに。
お酒が進みうっかり職場の愚痴を漏らした。
次の日には職場で広まっており、「陰でそんなことを言うなんてひどい!」と問題に。
つい漏らした愚痴が次の日には職場で広がっていました。
本当にくだらないですよね。
女性に限らず噂好きの人はどの職場にもいます。
トラブルを避けるためにも、プライベートで関わる人はしっかり見極めましょう。
男女で態度を変えない
女性の多い職場では、男女で態度を変えることでトラブルの原因になります。
特に、男性に対する態度には要注意です。
「あの子なんか男に媚びてない?」と先輩に目を付けれてしまうこともありますよ。
そういったトラブル回避のために下記に注意しましょう。
- 男性職員と必要以上にしゃべらない。
- 男女で大きく態度を変えない。
ただし、必要以上に気にすると逆にストレスになります。
基本的には「男女で態度は変えない」というスタンスでいけばOKですよ。
目立ち過ぎない
「目立ち過ぎて目をつけられてしまう」というのも、女性の職場でよくあるパターンです。
女性特有の嫉妬の対象になってしまいますよ。
- 言動は控えめにする。
- 意見がある際は、まずは上司に相談する。
- 出勤・退勤時も含めて派手な服装は控える
- 男女で態度を変えない。
上記には注意しましょう。
介護にアツい想いがある人は、ガンガン発言したくなるでしょうが、一旦グッとこらえましょう。
まずは、信頼のおける先輩や、上司に「相談」という形で意見を伝えてみると良いですね。
最低限の仕事はしっかりこなす
仕事をきちんとすることで職場の人間関係も上手くいきます。
自分より仕事ができる人に文句は言いづらいものですよね。
最初は上手くいかなかった人間関係も仕事を覚えて、周囲に評価されることで改善されますよ。
最初からベテラン職員のような仕事は出来ません。
時期によって求められる役割をしっかりこなしましょう。
新人の間は仕事を覚えることが仕事です。
- 教えられたことはメモを取る。
- 分からないことは確認する。
- 不安なことは事前に相談する。
など簡単なことから始めましょう。
お局様には要注意
女性の職場に多いのが、「お局様」の存在です。
「正論の通じない理不尽なボス」のようなものです。
例えば私の友人の職場には下記のようなお局様がいました。
- 仕事はできないが経験年数は豊富で扱いづらい。
- 男性職員には媚びる。
- 「上司」「男性職員」など、人によって態度を変える。
- 判断基準が「職場の利益」よりも「自分の利益」
- 気に入らない職員は影でいじめる。
こんな人、嫌ですよね。
悲しい現実ですが、どこの職場にも似たような人がいるのは事実です。
ただ、危険人物だからと言って、お局様に媚びる必要はありません。
まじめに仕事をしていれば、周囲のまともな人が、あなたのことをしっかり評価してれますよ。
その内、仕事を覚えて「知識」「技術」を身に付けてしまえば、お局様もあなたに口出しはできなくなります。
独自のキャラを作り上げる
快適な職場ライフを過ごすために、独自のキャラを作るというのも一つの手ですよ。
「あの人はあんな人だから」「あの人はプライベートの付き合いは無しだから」
周囲にそんな風に思われたらあなたの勝ちです。
人付き合いのストレスは大幅に減るでしょう。
- プライべートが謎な天然キャラ
- 黙って仕事をする職人キャラ
- なにかあっても、ケチをつけづらいヤンキーキャラ
- 何をしても許されちゃう愛されキャラ
一旦キャラが定着すると、イメージを払拭するのは難しいものです。
逆を言えば、この手法が使えるのはキャラが定着していない新人の時だけです。
ただ、この手法は失敗すると「変なヤツ」という烙印が押されてしまうリスクもあります。
諸刃の剣なので、メンタルに自信がある方にだけオススメします。
「本来のあなた」で勝負できるなら、それが一番ですよ。
まとめ
今回は下記について解説しました。
- 介護士の人間関係の特徴
- 人間関係が良い職場を選ぶ方法
- 人間関係が良くなる方法
介護士は別の業界に無い独特の人間関係もあります。
なんとなくで職場を選んでしまうと離職する原因になってしまいますよ。
転職時は事前にしっかり確認して職場を選びましょうね。
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