介護士になるには

女性多くて心配?男性介護士に期待されることと将来性

「男性介護士って需要ありますか?実際に働いている人の意見を知りたいです」

「介護士って女性ばかりですよね?女の世界で男性って活躍できますか?」

新しい仕事を始めるのって不安ですよね。

私も22歳の時に営業職から介護の世界に飛び込みました。

当時のことを思い出すとあなたの気持ちがよく分かります。

特に男性は「女性社会」のイメージがある介護業界に飛び込むのは勇気が入りますよね。

結論から言うと介護業界は男性でも十分活躍できますし需要はありますよ。

実際に男性の介護士は徐々に増えてきています。

この記事を書いている私は30年間介護の仕事に関わってきました。介護の内情についても精通していますよ。

私自身は女性ですが、たくましく、やさしい男性介護士を信頼しています。

今回はそんな私が客観的に見た男性介護士の現状や、男性が介護士になるメリット、将来性について解説していきます。

これから介護を志す男性には必見の内容になっていますのでぜひ最後までご覧ください。

介護業界について

将来性を知る前にまずは現状把握から始めましょう。

  1. 全体の男女比/人数
  2. 男性介護士と女性介護士の給与の違い

上記の2点を見て行きますよ。

介護業界の現状①全体の男女比は2:7でほぼ女性社会

下記は介護業界のサービスごとの男女比です。介護業界全体の「男女比率は2:7」となっていますよ。

介護士全体の人数が183万人なので、およそ36万人が男性介護士となっています。

参照:厚生労働省 「介護分野の現状等について

男性 女性 無回答
全体 20.9% 72.3% 6.9%
施設型サービス 33.1% 62.3% 4.6%
訪問型サービス 14.5% 77.9% 7.6%

参照:介護労働安定センター「令和2年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査

「特養」や「老健」などの施設型サービスは3割が男性と全体に比べて男性が多い傾向があります。

これは身体介護などの力仕事が多く、男性が活躍しやすいためだと考えられますね。

逆に訪問介護などの訪問サービスは1.5割でほぼ女性の職場です。

訪問サービスは利用者宅で調理、洗濯などの家事支援を行います。

男性が苦手な業務が多く、人が定着しない傾向にあると考えれらますね。

男性介護士の平均給与:335,770円

年齢 男性介護士の月収 女性介護士の月収
平均  335,770円 306,130円
29歳以下 295,580円 287,430円
30~39歳 342,110円 304,650円
40~49歳  357,260円 315,000円
50~59歳  333,160円 313,530円
60歳以上 289,800円 286,080円

参照:厚生労働省 令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果

女性と比較すると男性介護士が1~3万円は給与が高いというデータが出ています。

特に30~40代はその差が顕著です。これは管理職となっている男性が多くその手当の差だと考えられます。

介護士の平均月収と給与を上げる3つの方法も紹介します

男性介護士のニーズ「期待される5つの役割」

少ないとはいえ、一定数の男性介護士が現場で活躍していることが分かりましたね。

現場では男性介護士にどのようなことが求められているのでしょうか。

男性介護士が求められる役割は主に下記の5つです。

  1. 人間関係の緩和剤になる
  2. 同性の介護
  3. 力仕事が任せられる
  4. トラブルの対応
  5. リーダーとしての期待

ポイント①人間関係の緩和剤になる

介護は女性の職場です。

私の経験上ですが、女性が多い職場は

  • 理屈より感情を優先させる人がいる
  • 仕事と関係ないところで好き嫌いがある
  • 派閥・グループが生まれる
  • 噂話、陰口、ムダ話が多い

上記のようなことがあります。

もちろんすべての人がそうとは限りませんが人間関係が難しいケースも。

私が見て来た男性介護士は特徴として

  • 感情に左右されない
  • 穏やかな人が多い

という方が多く、女性ばかりの職場では男性がいると、緩和剤になり人間関係が良くなる傾向があります。

実際に私も女性社会で働いてきましたが、男性がいる方が空気感が良く働きやすい雰囲気がありました。

ポイント②同性介護のニーズ

同性介助の二-ズに応えるためにも男性は必要ですよ。

利用者の中には「同性の女性に介護してもらいたい」という方もいれば「同性の男性にやってもらい」たいという方もいます。

特にオムツ交換やトイレ介助などはデリケートな部分。

利用者のニーズに柔軟に対応するためには一定数の男性職員は必要ですね。

ポイント③力仕事が任せられる

介護は力仕事です。体力のある男性は介護に向いていますよ。

下記は「介護現場あるある」です。

  • 80kgある女性利用者の入浴介助
  • 体格のいい男性利用者を抱えて車いすへ
  • 10人の利用者をベッドから車いすへ移して食堂へ連れていく

介護労働安定センターの調査によると下記のように「事故を起こしてしまう不安」を抱えて働いている方も多いです。

介護現場でまれにある事故が「利用者を抱えた際に一緒に倒れてしまった」という転倒事故です。

利用者及びその家族についての悩み、不安、不満等(複数回答)(介護保険サ-ビス系型別) 

介護事故で利用者に怪我を負わせてしまう不安がある 24.2%

引用:介護労働安定センター「令和2年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査

体力面に自信がある男性ならこうした事故は起きづらいでしょう。

介護される側も男性にしっかり抱えられた方が安心感があります。

「安心」・「安全」・「安楽」な介護を提供するためには男性は必要とされていますよ。

ポイント④トラブルの対応

介護現場で悩ましいトラブルが利用者による暴力やセクハラ問題です。

介護労働安定センターの調査では介護職員の2割以上が暴力やセクハラなどの被害を受けたと回答しています。

利用者やその家族からのセクハラ・暴力等(複数回答)

  • 暴言・(直接的な言葉の暴力)28.3%
  • 介護保険以外のサービスを求められた18.5%
  • 暴力13.2%
  • セクハラ(性的嫌がらせ)10.4%
  • その他1.4%
  • 上記のような経験をしたことがない48.8%

引用:介護労働安定センター「令和2年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査

このようなトラブルの被害者の多くは女性職員です。

問題を起こす利用者への対応として、選択肢となるのが「男性介護士が対応にあたる」ことです。

  • 「あの利用者さんエッチなこと言うから○○くん代わりに対応してくれる?」
  • 「お尻触ってくるから○○くん対応して」

上記のような場面は介護現場ではよくある話です。

利用者との相性を考えて、対応する人間を柔軟に変えていくのも介護では重要。

男性がいることで選択肢が増えるので、より柔軟に現場のニーズに対応できるようになりますよ。

ポイント⑤リーダーとしての期待

男性介護士には現場のリーダーとしての期待が高まっています。

介護労働安定センターの調査では管理職の半分が男性という結果が出ています。

男性介護士の割合が「介護職全体の2割」だということを考えると、かなりの割合だと言えますよね。

事業所管理者の個別状況(管理者:男女の割合)

  • 男性 48%
  • 女性 48.3%
  • 無回答 3.7%

引用:介護労働安定センター「令和2年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査

男性が管理職に選ばれる理由は以下が考えられます。

  1. 「出産」「結婚」などの離職リスクが少なく長期的に働いてくれる
  2. 女性では発言しづらい場面でもハッキリ意見を言ってくれる

女性介護士の離職理由で、上位に上がるのが「結婚・妊娠」です。

前職の退職理由(女性)

結婚、出産、育児のため19.9%

引用:介護労働安定センター「令和2年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査

約2割が「結婚・出産・育児のため」に退職しています。

また女性の特徴として「周囲の共感を求める」「輪を乱さないようにする」というものがあります。

目立つことが嫌いで会議でもあまり発言したくないということも。

そういった時にズバッと意見を言ってくれる男性は重宝されますよ。

男性介護士の将来性はあるのか?3つのポイント

最後に男性介護士の将来性についてお話していきますね。

結論を言うと男性介護士は将来性は「ある」と考えられます。

ポイントは下記の3つです。

  1. 待遇改善に動いている
  2. 男性介護士は増えている
  3. コロナで高まる介護士の需要

ポイント①国が待遇改善に動いている

国は団塊の世代が後期高齢者になるにあたり2025年までに年間6万人の人材の確保が必要だと述べています。

参考:厚生労働省「福祉・介護人材確保対策について」

「介護人材の確保」「離職防止」のために国は介護士の処遇改善や、育成のために制度を整えています。

例えば処遇改善には

  • 介護職員処遇改善加算
  • 介護職員特定処遇改善加算

上記を定めています。

介護職員処遇改善加算

「職場環境の改善の取り組みを行っている」「教育体制を整えている」など「一定の条件」をクリアすることで国から事業所へ支払われる報酬のことです。

金額は職員一人あたり12,000円~37,000円です。

これが給与に反映されますよ。

※どれだけ職員へ還元するかは事業所へ一任されています。

介護職員特定処遇改善加算

介護職員特定処遇改善加算は「勤続10年以上の介護福祉士に、月8万円もしくは440万円を超える金額を支給する」ということを掲げた制度です。

処遇改善金に上乗せする形で支給されますよ。

76%が2019年10月から算定するとしており、「経験・技能のある介護職員」に対する平均21,700円/月としています。

引用:独立行政法人福祉医療機構 2019 年度介護報酬改定₋介護職員等特定処遇改善加算アンケート結果

※「月8万円の支給」とありますが、平均の支給額は21,700円となっています。

詳細記事はこちらです。「介護士の平均月収と給与を上げる3つの方法も紹介します

このように人材を確保のため国や行政は介護士の処遇改善に動いています。

個人的には、現状をふまえて今後この流れは強くなっていくと考えています。

ポイント②男性介護士は増えている

男性介護士の割合は徐々に増えてきています。

令和2年の介護職員の男女の割合は下記の通りです。

  • 男性20.9%
  • 女性72.3%
  • 無回答6.9%

引用:介護労働安定センター「令和2年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査

13年前である平成20年の介護職員の男女の割合は下記の通りです。

  • 男性17.1%
  • 女性72.3%

引用:介護労働安定センター「平成20年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査

上記でした。少しずつですが実際に男性介護士の数は増加していることが分かりますよね。

今後もさらにその数は増えていくことが予想できます。

記事内でも紹介しましたが、介護業界の管理職の約50%が男性です。

すでに介護士は男性がけん引しているといっても過言ではありません。

ポイント③コロナで高まる介護士の需要

コロナが流行り、「飲食業」「サービス業」などの失業者が増加してます。

総務省の調査によると2021年5月の時点で前年同月に比べ完全失業者は13万人増加しています。

参照:総務省統計局「労働力調査 (基本集計)

内容として多いのが「勤め先や事業の都合による離職」です。つまり会社の倒産や、経営不振によるリストラですね。

また宿泊業、飲食、サービス業は2021年5月の時点で、前年度に比べて就業者が減少傾向にあるというデータを出しています。

その他の業種も軒並み減少傾向にあります。

そんな中で「医療・福祉の分野」は2021年5月の時点で、前年度に比べて就業者が5.1%「増加」となっています。

これは他業種の就業者が介護業界に流れて来ている現状があると考えられます。

コロナ渦で他業種が衰退していく中で相対的に福祉・医療業界の安定性が証明されました。

団塊世代が高齢化するにあたり、介護士の社会的ニーズは高まるでしょう。

安定して就業できるチャンスのある介護職の人気は今後も高まっていくと考えられます。

コロナによる感染対策など現場の負担は増加したとはいえ、男性介護士も今後もさらに増えていくことでしょう。

「働くことが不安なら」2つの方法を紹介します。

漠然と介護士として働くことに不安があるなら、解消するために実際に行動を起こしてみましょう。

おすすめは以下です。

  1. 実際に働いている人の声を聞く
  2. 転職エージェントに相談する

①実際に働いている人の声を聞く

不安なら実際に働いてる男性介護士の声を聞いてみましょう。

数年前なら「職場見学行く」「友人・知人から情報を集める」などのが有力でした。

近年はSNSで簡単に情報を手に入れることができますよ。

  1. Twitterのスペース機能で話を聞く。
  2. YouTubeの動画を見る

個人的には上記がおすすめですね。

参考までに私が良く見ているYouTubeチャンネルを紹介するので良ければ参考にしてください。

※Twitterスペース機能とは

フォロワーが配信している話しを聞くことができる機能です。

自分から発信することもできますし、他人のスペースに入っていって発言することもできますよ。

色々な人をフォローして自分が知りたい情報を発信している人を探してみましょう。

当然ですが事業所へ見学に行って実際に話を聞くのもおすすめですよ。

②転職エージェントに相談する「きらケア介護」

転職エージェントとは「転職相談」「求人紹介」「転職サポート」を無料で受けられるサービスのことです。

担当のエージェントがニーズに合った求人を紹介してくれますよ。

転職エージェントは事業所の「人間関係」「職場の雰囲気」などの内部情報も持っています。

男性介護士の求人や実情なども詳しいので、これから就職を考えている方にはおすすめですよ。

転職エージェントの中でもおすすめなのがきらケア介護です。

求人数も豊富で、大手だけあってサポートも充実しています。

当然、男性介護士の求人紹介の経験もあります。

男性がどのようなことで悩んでいるのか」については話しが早いでしょう。

きらケア介護

まとめ

今回は下記を解説しました。

  • 男性介護士はすでに介護場で活躍している
  • 男性介護士の役割は5つ
  • 男性介護士の将来性はある。その理由は3つ
  • 働くことが不安なら誰かに相談しよう

これから新しいことに挑戦するのは不安ですよね。

男性はすでに介護業界で活躍していますし、前例は十分ありますよ。

焦らなくても良いですが、時間は有限です。

勇気を持って行動を開始しましょう。

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