介護士の仕事

介護士の仕事の1日の流れは?やりがいや大変さについても解説

介護士の1日の仕事の流れってどんな感じなんだろう?

介護の仕事を考えているあなたにとっては、気になることですよね。

今回は、施設ごとに1日の仕事の流れについてご紹介します。

夜勤の時間帯や仕事内容についても紹介するのでイメージがつきやすいと思います。

具体的なイメージが持てると、介護に対する関心が深まり、介護士になるためにより前向きな気持ちで努力できるのではないでしょうか。

1日の仕事の流れは施設によって違う

介護士の1日の流れは、施設や介護サービスによって違いがあります。

その種類は大きく分けて3つあります。

  1. 入所サービス
  2. 通所サービス
  3. 訪問サービス

①入所サービスとは、要介護状態となり自宅で生活できなくなった方に対して、介護施設に入所してもらい食事や排泄、入浴などの生活に必要な介護や健康管理を行います。

②通所サービスとは、自宅で生活している要介護者に、施設に通ってもらい日常生活における食事や排泄、入浴などの介護、レクリエーションや機能訓練を行います。

③訪問サービスとは、要介護者の自宅に介護士が訪問して、食事や排泄、入浴などの介助や買い物、調理、掃除などの支援を行います。

入所サービスの1日の流れ

入所サービスの1日は、起床介助から始まり、日中は食事の介助、排泄や入浴、レクリエーションなどを行います。

夜間は、定期巡回と排泄介助が主な仕事です。

入所者の生活リズムに合わせて食事や排泄、入浴などの介護を24時間通して行います。

時間 内容
7:00~ 起床介助、排泄介助
8:00~ 朝食介助
9:00~ 排泄介助
10:30~ 入浴介助
12:00~ 昼食介助
13:00~ 排泄介助
14:00~ レクリエーション、機能訓練
15:00~ おやつ、食事介助
15:30~ 排泄介助
18:00~ 夕食介助
19:00~ 排泄介助、就寝介助
22:00~ 定期巡回(安否確認)
0:00~ 排泄介助
3:00~ 定期巡回(安否確認)
5:00~ 排泄介助

勤務時間

早番や遅番、夜勤などのシフト制で勤務を組みます。

日勤(早番、日勤、遅番)と夜勤の2つに分かれる「2交代制」か、

日勤(早番、日勤、遅番)と準夜勤、夜勤の3つに分かれる「3交代制」の勤務形態によって勤務時間が異なります。

大きな違いは、夜勤の時間です。

下記の表をご参照ください。

シフト 2交代制 3交代制
早番 7:00〜16:00 7:00〜16:00
日勤 9:00〜18:00 9:00〜18:00
遅番 11:00〜20:00 11:00〜20:00
準夜勤 14:00〜23:00
夜勤 16:00〜翌日11:00 22:00〜翌日7:00

やりがい

①1日を通して入所者の生活に関わることができる

入所者の中には、日中と夜間で様子が変わる方もいます。

例えば、日中落ち着いて過ごしている人が、夜間になると一晩中徘徊しているという事例もあります。

これは認知症などの疾患により、適切な判断ができなくなってしまうことが原因として考えられます。

このように日中だけの関わりではわからないことも、入所サービスのように1日を通して関わらないと知ることができません。

このような入所者の対応をすることで介護士としてスキルアップにつながります。

②介護技術を学ぶ機会が多い

入所サービスは、身体が不自由なことにより、自宅での生活が難しくなった人たちが利用するサービスです。

そのため、食事や排泄、入浴などの介護に携わる機会が多く、介護技術を習得しやすいでしょう。

③夜勤をして収入を増やすことができる

介護士の夜勤手当は、施設により違いますが約5,000〜8,000円となります。

週1回(月4回)夜勤をすると、2,0000〜3,2000円の夜勤手当の収入。

年間で考えると、240,000〜384,000円の夜勤手当の収入が見込めます。

大変なところ

シフト制の勤務のため、時間が不規則

入所サービスは、24時間体制で利用者の介護にあたります。

早番や遅番、夜勤などシフト制となっており、勤務時間が不規則です。

慣れるまでは、きつく感じこともあるかもしれません。

しかし、個人差はありますが、1ヶ月もすればシフト制の勤務にも身体が慣れてきますので安心してください。

身体介助が必要な入所者が多く、体力的に大変

自分で歩けない方や寝たきりの方などの介助をすることが多いため、体力的に大変に感じることもあるでしょう。

特におむつ交換や移乗介助の際に腰を痛めてしまうなんて事もあります。

介護には腰などに負担がかかりにくい介助方法がありますので、詳しくは下記のサイトなどを参考にしてみてください。

腰痛を予防する!移乗・移動介助の基本マニュアル

もし、初めから腰痛の不安がある場合、腰痛ベルトなどを使用することで腰への負担を軽減することができます。

腰痛ベルトについては、下記のサイトに詳しく解説されています。

介護士経験者が選ぶおすすめ腰痛ベルト5選!選ぶべきポイントとは?

入所者との意思疎通が難しい時がある

施設の入所者は、体が不自由なことに加え、認知症や失語症などにより意思疎通が難しい方もいます。

そのような方とのコミュニケーションに対して負担を感じることもあります。

その場合、困難となっている原因の病気について理解することで、それぞれの入所者に合ったコミュニケーションの方法を見つけることができるでしょう。

通所サービスの1日の流れ

朝、迎えの送迎を行い、施設に利用者が到着したら熱や血圧などを測り健康状態を確認します。

午前中は主に入浴や体操、クイズや計算問題などの脳トレを行い、午後は、集団での体操やレクリエーション、工作などを行います。

夕方、施設を出発して、自宅へお送りします。

時間 内容
8:30~ 出勤、申し送り
8:40~ 送迎(迎え)
9:30~ 健康状態の確認(熱、血圧、脈拍測定)
10:00~ 朝礼
10:15~ 入浴、体操、脳トレ、リハビリ
12:00~ 昼食
13:00~ 休憩
14:00~ 集団体操、レクリエーション、工作
15:00~ おやつ
15:30~ 排泄介助
15:50~ 夕礼
16:00~ 送迎(送り)
17:30~ 退勤

やりがい

関わりを楽しく持つことができる

サービスの一環として、利用者の活動性を向上させたり、楽しさを感じてもらったりするためレクリエーションや行事活動を行います。

また音楽に合わせた体操なども行うので、楽しみながら利用者と接することができるでしょう。

勤務時間が規則的

通所サービスの場合、例えば『8:30〜17:30』というように勤務時間が決められていることが多いです。

勤務時間が規則的なので、生活リズムも整えやすく働きやすいでしょう。

大変なところ

時間に追われることがある

通所介護は利用者が帰る時間が決まっているので、それまでに決められた入浴や排泄、機能訓練などのサービス提供をしなければいけません。

また、介護士の人数が十分足りているという事業所ばかりではないので、時間内にサービス提供するために慌ただしくなってしまうこともあります。

利用人数が多い事業所ほどそのような傾向にあるようです。

業務の手順ややり方によって効率的に業務をこなすことも可能ですが、心配であれば、初めは少人数の施設から検討すると良いかもしれません。

介護技術を習得する機会が少ない

通所サービスでの利用者の多くは普段自宅で生活できているので、食事や排泄などは自分でできる方がほとんどです。

入所サービスに比べると介護技術を学ぶ機会が少ないと言えるでしょう。

そのため、介護技術を深めたい場合は、介護技術に関する研修会に参加したり、書籍や動画学習などで自主的に学ぶ必要があります。

給料が安い

夜勤がない分、給料は低めになります。

平均的な給料(基本給)は、185,260円/月です。

対して、入所サービスの平均的な給料(基本給)は195,380円/月で、基本給においても通所サービスの方が低くなっています。

介護福祉士の資格を取得することにより、資格手当てが付くので、その分もらえる金額を増やすことができます。

参考資料:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果

訪問サービスの1日の流れ

基本的には一度事務所に出勤して、その日の訪問スケジュールを確認し、利用者宅へ訪問します。

一回の訪問時間は、30分〜1時間程度。

身体介護や生活支援を行い、援助が終わると次の利用者宅へ移動します。

1日の一人当たりの訪問件数は1〜6件くらいとなっています。

時間 内容
8:30~ 事業所に出勤、訪問スケジュールの確認
8:45~ 移動
9:00~ 1件目、訪問(整容、更衣、排泄介助)
9:30~ 移動
10:00~ 2件目、訪問(排泄介助)
10:30~ 移動
11:00~ 3件目、訪問(入浴介助、更衣介助)
12:00~ 休憩
13:00~ 移動
13:30~ 4件目、訪問(買い物支援)
14:30~ 移動
15:00~ 5件目、訪問(掃除・洗濯支援)
16:00~ 移動
16:30~ 6件目、訪問(排泄介助)
17:00~ 事業所に戻り、記録や申し送り
17:30~ 退勤

やりがい

じっくり利用者と関わることができる

訪問サービスは、基本的に利用者と一対一で関わります。

そのため入所サービスや通所サービスに比べると、より深い関わりを持つことができます。

さまざまなスキルを身につけることができる

訪問介護の仕事では、排泄や入浴などの直接的な身体介護だけではなく、調理や洗濯、掃除などの家事支援も行います。

訪問時間も決まっているため、決められた時間内に効率良く援助を終わらせる時間管理のスキルも身につけることができるでしょう。

大変なところ

時間に追われることがある

援助内容や利用者の容態の変化などによっては、予定の時間内に決められた援助内容を終わらせることができない場合もあります。

また、次の訪問の予定が入っていたりすると余計に焦ってしまいます。

時間内に終わらせるためにやり方や時間配分を工夫することも大切ですが、時間内に援助が終わらない場合は、管理者等に連絡し、相談するようにしましょう。

一人で対応しなければならない

基本的には、一人で利用者宅を訪問してサービス提供します。

排泄や入浴などの介助を一人で行うため、負担が大きいこともあります。

また、利用者の容態の急変のときも、その場の対応は自分で行うしかありません。

その辺りがプレッシャーに感じることもあります。

そのような時は、すぐ電話で管理者等に対応について相談するようにしましょう。

また、事前に急変時の対応などについても勉強しておくと、いざという時でも慌てずに対応することができます。

調理や掃除などの家事がのスキルが必要

利用者宅に訪問し、冷蔵庫にある食材で調理をしなければいけないため、日頃から調理に慣れておく必要があるでしょう。

場合によっては、一度も作ったことがない料理の依頼を受けることもあります。

また掃除に関しても、慣れていないといざ利用者宅に訪問して『掃除ができない』なんてことになったら利用者に迷惑をかけてしまいます。

苦手な場合は、日頃から自宅で家事を行い、練習しておくと良いでしょう。

料理が苦手な場合は、クックパッドクラシルなど料理レシピのWebサービスを活用することもおすすめです。

給料が安い

通所サービスと同様に、夜勤がないため給与は低くなります。

訪問サービスの平均給料(基本給)は、月額192,340円です。

金額を増やしたいのであれば、介護福祉士の資格取得を目指しましょう。

参考資料:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果

介護士として働くメリット

あなたが介護士として働くことでどのようなメリットがあるかお伝えします。

  • 家族の介護に役立つ
  • キャリアアップができる
  • 雇用が安定している

詳しく説明していきます。

家族の介護に役立つ

介護の仕事経験は、家族や身内で介護が必要になった方がいる場合、多いに役立てることができるでしょう。

介護に対しては、実際に経験しないと「介護のやり方」、「介護サービスの利用方法」などわからないことだらけなので、不安を抱えている人が多くいます。

そんな時、介護のスキルや経験があれば、慌てずに対応することができます。

あなたの大切な方が介護が必要になっても安心して暮らすことができます。

きっとその方や家族から、とても感謝されることでしょう。

キャリアアップができる

介護士として経験を積むことでキャリアアップを図ることができる

例えば、『介護現場経験3年+実務者研修(450時間)』で国家資格である介護福祉士の受験資格を得ることができます。

さらに、『介護福祉士を取得して介護現場経験5年』で、ケアマネジャーの受験資格を取得できます。

ケアマネジャーとは、利用者一人一人に応じた介護計画書(ケアプラン)を作成し、医師や看護師などの専門職と連携を図り、介護をマネジメント(管理)する役割の職種です。

このように介護士として経験を積むことで、介護のプロとしてキャリアアップすることができます。

雇用が安定している

介護士の需要はとても多く、今後も伸び続けるでしょう。

日本は、現在超高齢社会と言われています。

厚生労働省のデータによると、2025年度には約243万人の介護士が必要。

しかし、2019年度時点の介護士の人数は、約211万人。

2025年度には、約32万人の介護士が不足すると言われています。

さらに、2040年度には約69万人の介護士不足が予想されています。

これらの状況から介護士としての仕事の需要は、今後も増え続け、雇用が安定していると言えるでしょう。

また介護士不足に伴い、政府も介護士の労働賃金を上げる取り組みを行っています。

2019年の介護士の給与(基本給+諸手当)は、平均300,120円です。

2021年の介護士の給与は、平均316,610円なので、16,940円アップしています。

22年2月からも、さらに毎月9000円(年間108,000円)の手当が付きます。

以前は、「仕事が大変な割に給料が安い」と言われていましたが、ここ最近は、賃金も見直され、増加傾向です。

まとめ

施設ごとの1日の流れについてご紹介しました。

施設に応じて「やりがい」や「大変なところ」も様々です。

しかし、これからも介護士の需要は増える一方であり、雇用も安定します。

経験を積むことにより、上位資格である介護福祉士やケアマネジャーへのキャリアアップすることも可能です。

しかも、介護士として得たスキルは、仕事だけでなく、身内で介護が必要になった場合にも活かすことでき、介護が必要になった方や周りから感謝されることでしょう。

ぜひ、介護士になるために前向きな気持ちで頑張ってください!

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