介護士を目指して、進路を検討しているあなた。
介護士になるには、さまざまなルートがあるので悩みますよね。
私も、介護の仕事を考え出した時「何から始めれば良いのか?」と、考えた時期があります。
私は資格がないまま、介護施設で「介護士」として働きだしました。
しかし、専門知識が何にもないため、右も左もわからずとても苦労した過去があります。
そんな私とは対照的に、入社されたばかりなのに、専門知識や技術で大活躍する方がいたのです。
話を聞いてみると、高校卒業後専門学校に行き2年で介護福祉士の資格を取得されたそうです。
「そんなルートがあるのか・・・!」と目から鱗でした!
そんな私が、行けばよかった!!と思った「専門学校」の魅力をお伝えいたします。
専門学校に通って資格を取ろう!
専門学校に通う一番の目的は専門的な知識を身につける事、目標は介護福祉士の資格取得です。
「介護福祉士」っていっても、どんな資格なのか、何をする人なのか、わかりづらいですよね。
ここではまず、介護福祉士とは何かをご説明しようと思います。
介護福祉士の資格とは?
介護福祉士とは「社会福祉士及び介護福祉士法」に基づく国家資格です。
上記法律によれば、「介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者」と定義されています。
簡単に言うと、なんらかの病気や障害で、日常生活を送るのに手助けがいる方の日常的な世話をする専門職ということです。
そのため、専門性を重視されたプロ資格と言え、介護士としてより信頼を得やすいです。
介護福祉士の資格をとるメリット
私が実際に資格もなく介護施設で働きだした時、こんな事を感じました。
「同じ内容のお仕事をしていても資格を持っている人とは給料が違う!?」
実は、資格を取得すると、就職後も資格手当として認めてもらえる事がほとんどで、お給料のスタートにも差がでるのです。
その他に、資格を持っていると先々スキルアップやリーダーを務める機会も多い事が特徴です。
専門学校で資格を目指すメリットとは?
介護福祉士の資格は、専門学校に通う以外にも取得する方法があります。
専門学校に行くと、何がメリットなのかまとめてみました。
最短で介護福祉士の受験資格をゲットできる
介護士福祉士になるには、こちらの図の様な様々なルートがあります。
引用元:社会福祉振興・試験センター
平成29年より養成施設(専門学校や福祉系の大学)を卒業するだけでは、資格は取得出来なくなりました。
しかし、経過措置として、養成施設を令和8年度末(令和9年3月末)までに卒業する方違います。
卒業後5年の間は、国家試験を受験しなくても、または合格しなくても、介護福祉士として登録することができます。
※令和9年度以降に養成施設を卒業する方からは、国家試験に合格しなければ介護福祉士になることはできません。
今後はあくまで、養成施設を卒業したら、国家試験を「受験する資格」が持てると言う事です。
受験資格をもうけるためには
- 厚生労働大臣が指定した養成施設を卒業する方法(指定された専門学校・大学・短期大学)
- 3年以上介護等の業務に従事した者等
の2通りがあります。
①が「専門学校」に該当し2年間で専門分野を学び国家試験に望むことができます。
専門学校は大学よりも、学費と時間をかけずにスペシャリストになれるのです!
専門学校では、国家試験までに必要なカリキュラムの中に専門的な知識を深めるための授業・実習・受験対策などが入っています。
②は私が実際に通ってきた道です。
3年間介護現場(介護保険施設・介護保険サービス事業所等の条件あり)で働き実践を積む必要性があります。
現在はさらに「介護福祉士実務者研修」を修了することが必須となっています。
後に、試験対策として独学されるか、通信教育講座やその他講座を自身で探し受講される方が一般的です。
道のりがとても長いですよね。
専門的に幅広く深く学べ、即戦力となる
介護の世界では未経験でありながらも、「即戦力」が求められる事が多いです。
大学は一般教養等も含まれるので、学ぶ範囲が広くなります。
しかし、専門学校ではより深く、介護に関わる心理学や医学・法律や実習を兼ね合わせた学びを提供してくれます。
私が知識もなく働きだして、一番苦労したことは、
「職員同士の申し送りについていけない」
と言う事でした。
「申し送り」とは、ご利用者様の様子やその日に気を付ける事、予定などを職員間で連絡しあう事です。
その申し送りでは「専門用語」が飛び交います。
「Aさんは嚥下が悪いから気を付けてね!」
「BさんはDMが酷くなっている」
「Cさんは褥瘡が悪化しているから」
など、私の頭には?マークがたくさんでした。
専門の基礎知識があると会話も頭に入りやすく、ご利用者様をより深く観察できるようになります。
就職先へのバックアップ体制が万全
専門学校ですので、その分野に長けている先生が常駐しています。
実習先から就職先まで、長年の介護事業所様との信頼関係も厚く、情報量も多くお持ちだと思います。
生徒が悩んだ時も相談しやすく、就職に向けて一緒に考えてくれるのが、専門学校のメリットではないでしょうか。
学校から輩出した先輩たちの話も聞きやすく、将来に希望が持てるところも魅力の一つです。
専門学校のデメリットとは?
平成29年に、養成施設を卒業後、資格取得に向けて法律の改正があり、現在は経過措置期間です。
そのため「卒業後5年の間は、国家試験を受験しなくても、または、合格しなくても、介護福祉士になることができる。」となっています。
しかし、注意することが2点あります。
- 卒業後5年間のうちに国家試験に合格
- 卒業後5年間続けて介護等の業務に従事する
①②のどちらかの条件を満たすことで、5年経過後も介護福祉士の登録を継続することができます。
①②のどちらかの条件を満たせない場合、介護福祉士の登録が取り消しとなります。
養成施設を卒業後、専門学校であれ、大学であれ卒業後の道筋は同じです。
専門学校のデメリットをお伝えするとすれば、「介護以外の進路変更が難しいかもしれない」と言う事になります。
介護の世界はとてもやりがいもあり、これからも必要とされるお仕事です。
しかし、卒業後5年間続けて介護等の業務に従事すると言う事は容易ではありません。
その場合、大学の方が進路変更はしやすいかもしれませんね。
専門学校の選び方
専門学校に進みたいと思った方は、次に数ある専門学校の中からどこを選んだらよいか悩まれると思います。
せっかく進学したのに、相性があわなくて途中で挫折することは避けたいですよね。
ここでは、専門学校の選び方をご紹介します。
自分にあったコースを選択しよう
専門学校で介護福祉士の勉強をするには、次のように2種類のコースがあります。
- 介護福祉士科2年制コース
- 介護福祉課専攻科1年制コース
あなたがどちらに進むべきか、場合によっては検討しましょう。
2年制コースは「福祉」に関して、基礎課程がない方を対象としたコースとなります。
一方、専攻科の1年制コースは、少し違います。
保育士有資格者や福祉系の大学(養成施設外)を卒業後、さらに福祉過程を深めるべく進学するコースとなっています。
私の後輩は、高校卒業後に2年制の保育科コースに進学したそうです。
卒業後、併設されていた介護福祉専攻科へ1年進学し介護福祉士の資格も取得したと聞きました。
専門学校だと、あわせて3年間の学校生活になります。
しかし、卒業時には国家試験を受け、保育士と介護福祉士の両免許を取得したそうです。
そのため就職先も視野を広げ検討することが出来たそうです。
専門学校によっては、専攻科が併設されていない場合もありますので、希望するときはよく調べましょう。
専攻科が併設されていない場合でも、大丈夫です。
保育科等を卒業後、他の専門学校への入学も可能なので安心してください。
進学できる学校を見つけよう
現在、介護の専門学校は介護福祉士の需要も高く、たくさんの学校があります。
学校によって、考え方や育成方法も違いますので、ぜひ一覧を参考にご検討されてみてはいかがでしょうか?
参考資料:養成施設一覧
4つのポイントを比較しよう
進学先を選ぶにあたり次のことをポイントに考えてみましょう。
①学費
専門学校に通う場合、年間100万円以上学費がかかります。
これは簡単に出せる金額ではありませんよね。
できることなら、なるべく学費は押さえたい所です。
学校によっては独自の奨学金制度やサポート体制があるので確認してみましょう。
②就職先
専門学校には、進路相談の専門教員が常駐している所が多いと思います。
将来的に、どこの土地で働きたいとすでに希望がある場合、学校とその土地が繋がりがあるか確認しましょう。
なければどのようにして、就職先を見つけていくのか、相談方法の手段があるかを聞いてみましょう。
③カリキュラムの内容
専門学校では、かならず演習や現場実習があります。
どんな風に実習をおこなっていくのか、気になりますよね。
泊りであるのか日帰りなのか、また将来就職を考えている施設で現場実習を受けれるのか等確認してみましょう。
④学校の雰囲気
入学した後に、あなたが思い描いていた雰囲気と違う事もあるかもしれません。
なるべくそうならない様に、入学後も楽しく過ごしたいですよね。
そのようなときは、オープンキャンパスに参加し、学校の雰囲気を事前に味わってみることもできます。
学校での生活雰囲気や演習項目を知る機会が持てるかもしれません。
まとめ
専門学校のメリットは次の通りです。
- 専門分野に集中的に勉強ができ、最短で資格取得を目指せる。
- 令和8年度末(令和9年3月末)までに卒業する方は卒業後5年の間は、国家試験を受験しなくても、介護福祉士として登録することができる。(卒業後、登録継続の条件あり)
- より専門の業界について、深く勉強ができる。
- プロとして即戦力と信頼を得やすい。
- 専門職として就職につながりやすい。
- 将来スキルアップやリーダーを目指せる。
- 介護福祉士を目指せるコースは2種類ある。(2年制コース・専攻科1年制コース)
一方で、将来専門分野以外に進むときは選択肢の範囲が狭いというデメリットもあります。
専門学校を選ぶときは、4つのポイントである学費・就職先・カリキュラム内容・学校の雰囲気を比較してみてください。
介護士を目指されるのであれば、国家資格である、「介護福祉士」の資格取得に有効な専門学校への進学を視野にいれてはいかがでしょうか。
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