これから特別養護老人ホームからデイサービスへの転職を検討しているあなたは
「施設介護の経験しかないけど、在宅分野でもやっていけるのか?」
「特養とデイサービスの仕事はどう違うんだろう?」
このような不安をお持ちかもしれませんね。
以下では特養からデイサービスに転職した経験のある私の知り合い(Kさん)の話を基に、
2つのサービス種別を比較しながら、デイサービスにおける介護士の役割を紹介したいと思います。
この記事を読めば特養と比べながらデイサービスの介護士の役割について理解することができ、デイサービスで働いてみたくなるはずです!
そもそもデイサービスとは?
デイサービスは普段ご自宅で生活されている高齢者の方に対して食事や入浴の介助、レクリエーションなどの娯楽を提供する日帰りの施設です。
以下ではデイサービスの特徴について、特養と比較しながら見てみましょう。
- 夜勤の有無
- ナースコール
- 要介護度の違い
- 利用者様の数
上記3点に触れながら説明していきます。
1.夜勤の有無
特養は利用者様がそこで生活をされているので夜勤があります。
日帰りの施設なのでデイサービスでは夜勤はありません。
私の知り合いのKさんがデイサービスに転職した主な理由も「夜勤がないから」だったそうです。
2.ナースコールの有無
「特養ではナースコールの対応でフロアをあっち行ったりこっち行ったりして本当に大変だった。」
「休みの日でも空耳でナースコールのメロディが聞こえた。」と言っていました。
デイサービスにはナースコールは風呂場やトイレについているだけで、頻繁に鳴ることは無いようです。
3.要介護度の違いについて
「特養ではほとんどの人が要介護4か5だった。デイでは3以下の人がほとんど。」
「特養では移動は車椅子の利用者様が多かったけれど、私が働いているデイには車椅子の人は1人か2人くらい。」のようです。
デイの利用者様はほぼ自立されている方が多いので、転職してから身体的な負担は軽くなったそうです。
4.利用者様の人数について
「特養では毎日同じ利用者様へ介護を提供していた。利用者様の数も1フロアで50人くらいだった。」
「デイサービスは曜日単位で利用者様が違う。1日あたりの利用者様の数は50人くらいで変わらないけど、
在籍している利用者様全員でいうと150人くらいいる。」と言ってました。
把握しておかなければいけない利用者様の数はデイのほうが多みたいです。
両者の違いを簡単にまとめると
特養は
- 夜勤があり
- コール対応がある
- 利用者様の要介護度が高い
- 日々利用者様の顔ぶれは変わらない。
デイは
- 夜勤がなく
- コールもならない
- 利用者様の要介護度は低め
- 毎日違う利用者様の対応をする
このようにまとめられます。
デイサービスの介護士の役割
以下ではデイサービスの介護士の役割について、もっと細かく見ていきましょう。
デイサービスでは、
- 食事、排泄、入浴介助
- レクリエーションの提供
- 機能訓練
- 送迎業務
- 利用者様のご家族とのやり取り
- 多職種連携
- 書類作成
と大きく7つの役割を果たします。特養と比較しながらみていきたいと思います。
1.食事、排泄、入浴介助
デイサービスも介護施設ですから、もちろん食事、排泄、入浴の基本的な介助が中心の業務になります。
ただし、デイサービスには施設と比べると介護度が低く、ほぼ自立されている利用者様が多いので、介護の負担は比較的低いと言えます。
Kさんの談では「デイに来てからは移乗介助とオムツ交換をしなくなったから腰が全然痛くない」だそうです。
2.レクリエーションの提供
デイサービスの目的として娯楽を提供し、他者との交流を図ってもらうというものがあります。
囲碁、将棋、麻雀を他利用者様と楽しんだり、歌のレクリエーションや脳トレのレクリエーションを提供します。
夏祭りや敬老会、クリスマス等の季節の行事も実施します。
Kさんが働いていた特養では食事、排泄、入浴の介助でいっぱいいっぱいで、日々のレクリエーションの提供はほとんどなかったそうです。
デイサービスでは毎日レクの提供があるようです。
また、レクリエーションについては趣味や特技があると仕事でも活かすことができますね。
Kさんは子供の頃けん玉にはまっていて、けん玉検定2段の実力です。
「夏祭りのときに利用者様の前で披露したときにとても盛り上がった。」
「子供の頃の経験がこんな形で活かされるとは思わなかった。」と話していました。
あなたの趣味も意外な形で活かされるかもしれませんね。
「自分のスキルで利用者様のことを笑顔にできたときはデイに転職してよかったと思った」そうです。
利用者様に喜んでもらいたいというサービス精神のある人が向いていると言えますね。
3.機能訓練
機能訓練は特養でもデイでも実施されています。
ただしKさんの特養では介護士が行う集団での体操はなく、機能訓練指導員によりマッサージや関節の可動域を維持する運動がされていたようです。
デイサービスでは職員が利用者様たちの前に立って行う集団体操や、新聞紙を丸めた棒を使った棒体操等を行い、利用者様の機能低下を予防しているとのこと。
機能訓練についてKさんが語ってくれたことは、
「私は特養でたくさんの寝たきりの利用者様を見てきた。」
「ひどい方だと重度の認知症があり発語ができない、誤嚥性肺炎のリスクがあるから食事は経管栄養、手足は拘縮が強くなってしまい動かすことができない。」
「このような高齢者の方を増やしたくない。」
「デイサービスで機能訓練に力を入れて、寝たきりの利用者様を減らす。それが私の使命!」ということでした。
デイサービスの介護士は介護予防の点で重要な役割を果たしていますね。
4.送迎業務
デイサービスは日帰りサービスですので朝夕に送迎業務があります。
専任のドライバーがいれば介護士が運転することは無いですが、事業所によっては介護士も運転することがあります。
人を乗せての運転は緊張しますし、車の乗降時に転倒しないように見守る必要もあり、気が抜けないそうです。
しかし、利用者様から外では話しづらい相談をもちかけられる等、送迎時は車内で利用者様とじっくりお話しできる貴重な時間だそうです。
5.利用者様のご家族とのやりとり
特養でご家族と関わるのは、ご家族が面会にいらっしゃったときか、電話でご本人の様子を伝えるときくらいだと思います。
デイサービスでは送迎時にご自宅に伺うので利用者様のご家族と接する場面は多いです。
その際にご家族からの要望や連絡事項を聞き取ることがあります。
例えば
「今日はうちのおばあちゃん足の動きが悪いみたいだからよく見守ってほしい」
「来週の月曜日は病院に行くのでお休みします」等です。
このようなご家族からの要望をしっかりと職場の多職種と共有することはデイサービスの介護士の重要な役割です。
6.多職種との連携
デイサービスには介護士の他にも相談員、看護師、理学療法士等の多職種が連携して働いています。
多職種が連携して働いているのは特養でも同じですね。
利用者様のことをしっかりと観察し、変化があればすぐに多職種と共有するという、介護士の役割は変わりません。
「違いがあるとすれば特養では褥瘡(じょくそう)の処置を看護師に頼むとか、
利用者様が熱を出したときの対応を看護師に確認する等、連携の内容は医療的な内容が多かった。」
「デイでは、どのような体操をすれば誰々さんの下肢筋力が鍛えられるかを機能訓練指導員と相談したり、
どのような脳トレをすれば認知機能が鍛えられるかをみんなで話し合ったり等機能訓練的な内容が多い」とのことです。
利用者様の状態像によって連携の内容も変わりますね。
7.書類の作成
書類の作成に関しては特養もデイも共通しています。
職員会議の議事録、イベントの企画書、事故報告書、月末にはケアマネに向けてのモニタリングの書類を作成します。
月末のモニタリングについては、デイサービスの方が在籍している利用者様の数は多いので大変とのこと。
「特養では職員一人あたり7人くらいのモニタリングを書いてた。デイでは20人以上に増えた。」
そのうえ、デイサービスの場合、ケアマネは外部の事業所の方なので、一人ひとりのケアマネに郵送するという、特養にはない要素もあります。
「月末は事務所にこもってみんなでヒーヒー言いながらパソコンに向かっている。」
月末処理が忙しいのはどこの事業所も一緒だと思いますが、Kさんは「皆と手分けして楽しくやってる」そうですよ。
デイサービスでの1日の流れ
以下ではデイサービスでの一日の流れを見ていきましょう。
8:30 出勤
当日利用される利用者様の確認をします。朝礼を行い情報共有をします。
9:00 利用者様のお迎え
送迎車にてご自宅まで迎えに上がります。
10:00 入浴介助、体操の実施
入浴時は足元が滑りやすいので安全に配慮しながら行います。
身体機能の低下予防のために体操を行います。
12:00 昼食
配膳のフォローや、誤嚥している利用者様がいないかを確認。食事量のチェックもします。
13:00 レクの提供
計算など脳トレのプリントや塗り絵、将棋など本人の好みに合わせて娯楽を提供します。
15:00 おやつ
配膳、見守りを行います。
16:00 利用者様をご自宅へ送る
送迎車にてご自宅まで送り届けます。
17:00 終業
夕礼を行い1日の情報共有をします。
デイサービスは日中だけの仕事なので生活のリズムは作りやすいですね。
「特養にいたころは熟睡できずに夜中に目が覚めることが多かったけど、今は朝までぐっすり眠れる」と話していました。
デイサービスは規則正しい生活を送りたい人にはぴったりだと思います。
まとめ
ここまで特養とデイサービスを比較しながら介護士の役割についてみてきました。
- 食事、排泄、入浴介助
- レクリエーション
- 機能訓練
- 送迎業務
- ご家族とのやりとり
- 多職種連携
- 書類作成
特養と比べてみてデイサービスでの介護士の役割についてどのような印象を持たれたでしょうか?
- 夜勤がなくて体力的、精神的負担が軽い。
- レクリエーションでは自分の趣味を活かして利用者様に喜んでもらえる。
- 機能訓練によって利用者様の健康を維持するお手伝いができる。
というのがデイサービスの特徴です。
コミュケーションが濃くて、利用者様の笑顔から元気がもらえるとてもやりがいのある仕事です。
この記事をきっかけにデイサービスで働くことを前向きに思ってもらえたら嬉しいです。
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