介護士になるには

介護士になるには高卒でも大丈夫なの?!資格はなくてもいい?

「介護士になりたいけれど高卒でもなれるのかな」

このように高校で進路を決める際に迷ってはいませんか?

進学せずに介護士として働きたいけれど、大卒や専門卒でないと働けないのではないかと疑問に思いますよね。

この記事では

  • 介護士は高卒でもなれるのか?
  • 資格はなくてもいいのか?

についてお答えしていきます。

「介護士に学歴は関係ないんだ」と思える記事なので、最後までご覧になってくださいね。

高卒でも介護士になれるの?

結論から言いますと、高卒でも介護士になれます!

介護士として働く際に学歴は関係ありませんよ。

学歴不問の求人は多数あり

正社員雇用で学歴不問、無資格・未経験歓迎の求人は多数あります。

雇用条件に学歴があったとしても、高卒以上が大半のため対象には入っていますよね。

私は高校を卒業してからではないですが、22歳のときに無資格・未経験から介護士として働き始めました。

同じように無資格・未経験から介護士として働き始める人は多いですよ。

医療福祉の専門職である介護士が、無資格・未経験からでも働けるのは、介護現場で学びながら専門知識や技術を身につけていけるからです。

ただ、資格がないまま働くのと、資格を取得して働くのとでは、給与に差が出てきます。

詳しくはこちらの記事も参考にしてください。

無資格でも介護士はできる!無資格で働くメリット・デメリットを紹介

資格の有無で給与に差が出る?

介護士は資格の有無によって給与に差が出てきます。

なぜなら、資格があると資格手当がついたり、基本給が高かったりするからです。

介護士の仕事には資格がないとできない仕事もあるため、給与アップやキャリアアップを考えるとなると、資格の取得は必要になってきます。

給与に差が出る資格とは?

給与に差が出る資格は主に

  • 介護職員初任者研修
  • 介護福祉士実務者研修
  • 介護福祉士

になります。

これらの資格を取得するには、専門のスクールで研修・受講することになります。

専門のスクールは短大・大学・専門学校とは違い、介護士として働きながら通えますよ。

私も働きながら資格を取得していますので、あなたが無資格で介護士になっても、これから資格を取得することは可能です。

取得した資格別の給与の違い

取得した資格によってどう給与が違うのかみていきましょう。

資格なし・未経験1年目の給与

資格なし・未経験、介護士1年目の平均給与は、186,183円/月となっています。

高卒でも大卒でも、未経験1年目であれば給与に差はありません。

さらに資格がある場合は資格手当がプラスされます。

資格手当の額は以下になります。

  • 介護職員初任者研修:2,000円~5,000円
  • 介護福祉士実務者研修:2,000円~10,000円
  • 介護福祉士:5,000円~20,000円

職場によって手当の額はさまざまで、大半の職場では上記の資格手当がプラスされます。

保有資格別の平均給与

保有資格別の平均給与をみていきましょう。

保有資格別 平均給与額(月額)
保有資格なし 271,260円
介護職員初任者研修 300,510円
介護福祉士実務者研修 307,330円
介護福祉士 328,720円

参照:厚生労働省 令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果

資格なし・保有資格によって、給与に違いが出ていますね。

介護士の仕事を続けていくのであれば、給与の面でもキャリアの面でも、資格の取得をおすすめします。

もし「就職した職場が自分に合わず転職したい」となった場合も、資格をもっている方が好待遇の求人が多いですよ。

資格を取得するには?

先ほどお伝えした

  • 介護職員初任者研修
  • 介護福祉士実務者研修
  • 介護福祉士

以上3つの資格の取得方法を具体的に紹介していきますね。

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修(初任者研修)とは、介護職として働く上で基本となる知識・技術を習得する研修です。

介護士の資格を取得する多くの人が、まずは介護職員初任者研修の取得を目指します。

言うなれば介護士のスタート資格ですね。

知識や経験がなくてもOK

初任者研修を取得する上で

  • 年齢、学歴
  • 必要資格
  • 実務経験、知識

などの条件はありません。

カリキュラムを修了し、修了試験に合格すれば取得できますので、挑戦しやすい資格といえます。

資格を取得するとできる仕事

介護の仕事は大きく分けると

  • 掃除や洗濯・料理などの生活援助
  • 利用者の身体に触れる食事・入浴・排せつなどの、日常生活を支援する身体介護

の2種類があります。

職種に関しても大きく分けると

  • 利用者の家を訪問して行う訪問介護
  • 老人ホームなどの施設介護

の2種類となります。

身体介護は無資格者の場合、有資格者の指導のもと行わなければなりませんが、

初任者研修を取得すると介護の仕事全般ができるようになります。

訪問介護は基本ひとりで利用者のお家へ訪問して介助を行うので、訪問介護で働く場合は資格があるといいですね。

仕事の幅を広げるためには、まず初任者研修の取得をおすすめします。

資格を取得するには

初任者研修を取得するには、130時間のカリキュラムを修了後に、修了試験を受けて合格する必要があります。

働きながらですと、通信講座と通学講座を組み合わせて受講する人が多いですね。

40.5時間まで通信講座の受講が可能で、残りの時間は通学講座での受講となります。

通学講座は、受講スケジュールと自分のスケジュールが合う講習を選ぶことができ、土曜日や平日夜間の講習もあります。

受講期間については、最短3週間~4か月など受講するスクールやコースによってさまざまです。

スクールの費用もさまざまで、約3万円~12万円となっています。

修了試験は難しいの?

試験と聞くと「合格しないといけないなんて、大丈夫なのかな」と不安になってしまいますよね。

初任者研修の修了試験の合格率は約90%以上と高くなっています。

基本的には、真面目に授業を受けて復習をしていれば問題なく試験に合格できますよ。

万が一受からなくても追試験は行っており、復習をしっかり行えば合格のチャンスは大いにあります。

初任者研修の試験の目的は、受験者をふるい落とすことではなく、学んだ内容が身についているかを確かめることですからね。

介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修(実務者研修)とは、介護職員初任者研修の上位に位置づけられる資格です。

介護福祉士実務者研修を修了することで、介護に関する専門的な知識と実践的な技術を習得でき、より質の高い介護サービスを提供できるようになります。

また、介護福祉士を受験する要件のひとつでもあります。

資格や経験がなくてもOK

実務者研修は

  • 年齢、学歴
  • 必要資格
  • 実務経験、知識

の制限はなく誰でも取得可能です。

ただ、初任者研修レベルの知識やスキルがなければ、研修のカリキュラムについてけない場合もあるかもしれません。

資格なしで実務者研修を受講する場合は、勉強量が必要になることも念頭においておきましょう。

資格を取得するとできる仕事

初任者研修同様、生活援助や身体介護を行います。

ただ、初任者研修では受講しない医療的ケアというものが設けられているため、実務者研修を取得するとより介護の知識や技術が学べます。

そのため、仕事の質がより向上できるでしょう。

また、訪問介護の現場でリーダー的な存在である、サービス提供責任者になることができ、仕事の幅が広がりますよ。

資格を取得するには

実務者研修は働きながら通信講座と通学講座で取得できる資格です。

通信講座と通学講座で450時間の自宅学習と、12時間~16時間の講義・演習を修了する必要があります。

初任者研修を取得していれば、共通する9科目が免除されるため、320時間の自宅学習となり受講時間が短くなるのです。

スクールの受講期間は保有資格によって変わりますが、最短2ヶ月~6ヶ月ほどです。

スクールの費用はスクールや保有資格によってさまざまで、約6万~17万となっています。

修了試験は難しいの?

修了試験は義務付けられているわけではありませんが、スクールによっては修了試験が設けられているようです。

合格率は100%に近いため、難しい試験ではないようですね。

試験は受講者をふるいにかけるものではなく、研修内容の理解度をチェックするために行われます。

実務者研修のカリキュラム内から出題されるので、復習をきちんと行えば合格できますよ。

万が一不合格になったとしても、追試験に合格できれば問題ありません。

介護福祉士

介護福祉士とは、福祉に関する相談や介護の依頼に対応できる専門スキルを持つ人です。

在宅や施設における介護の充実強化を図ること、国民の福祉を向上させることを目的として制定された資格です。

介護に関わる一定の知識や技能を習得していることを証明する、唯一の国家資格になります。

介護福祉士の資格取得を取得する際に学歴は関係ありません。

資格を取得するとできる仕事

介護福祉士は介護現場のプロフェッショナルといえる資格です。

介護福祉士の仕事は、介護現場で行う生活援助や身体介護の他に

  • 利用者の家族に家庭介護のアドバイス
  • 介護用具を使う際の指導

などを行います。

私が介護福祉士を取得した後の仕事は、チームリーダーとして介護現場の管理や後輩の指導も担当していました。

利用者・利用者の家族・職員に自分のもっている知識や経験を提供していくため、信頼され頼りにされる存在となりますよ。

資格を取得するには

働きながら資格を取得するには、実務経験3年以上+実務者研修修了の条件を取得し、介護福祉士の試験を受けます。

実務経験3年以上というのは、従業期間3年(1095日以上)かつ従事日数540日以上を満たすことです。

実務経験を積むには対象となる施設や事業所が定められているため、必ず対象となる職場を選びましょう。

面接の際など前もって、資格取得のための実務経験が積めるのかを確認してください。

対象となる施設・事業は下記の資料を参考にしてくださいね。

社会福祉振興・試験センター

実務者研修を修了し、実務経験3年以上となれば介護福祉士の試験へのぞむ切符が手に入ります。

介護福祉士の試験は難しいの?

介護福祉士は国家試験なので、「簡単に合格できないだろうな」と思ってしまうかもしれません。

2022年の介護福祉士試験の合格率は72.3%でした。

この合格率を高いと思うか低いと思うかはあなた次第ですが、がんばれば受かる!と思える合格率ではないでしょうか?

参照:厚生労働省 第34回介護福祉士国家試験合格発表

介護福祉士を取得する際は、下記の記事も参考にしてくださいね。

働きながら国家資格の介護福祉士を目指そう!資格の取り方を教えます

資格取得の費用を抑える3つの方法

ここまで資格取得についてお伝えしてきた中で、「資格を取りたい!」と思ったのであれば、費用を抑える方法があるので紹介しますね。

専門スクールのキャンペーンを利用する

スクールによっては受講費用がキャンペーン価格でお得になっている場合があります。

スクールの受講費用に差があるのも、キャンペーンなどの特別価格によって差が出ている場合が多いですね。

あなたが受講したいスクールのホームページを確認したり、問い合わせた際に確認してみるといいでしょう。

また、資格取得と同時に就職サポートを行っているスクールもありますので、合わせて確認してみるといいですね。

下記の記事も参考にしてください。

「カイゴジョブエージェント」なら資格が無料で取れる!求人件数も豊富!

ハクビ介護は資格が無料で取得できる特典あり!転職まで一括サポート!

教育訓練給付金制度を利用する

教育訓練給付金とは、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、受講費用の一部が支給される制度です。

制度を受ける条件は以下です。

  1. 受講開始時点で、在職中で雇用保険に加入している
  2. 今までに教育訓練給付金を受けたことがない
  3. 雇用保険の加入期間が1年以上ある

上記の条件は、介護士として働いていることが前提としたものになります。

条件に当てはまる場合、介護職員初任者研修は受講にかかった費用の40%(最大20万円)が支給されます。

介護福祉士実務者研修は、受講にかかった費用の50%(年間上限40万円)が支給されます。

この制度はどのスクールでも利用できるわけではなく、厚生労働大臣の指定を受けている講座のみです。

詳しい内容は、最寄りのハローワークか指定を受けているスクールに聞いてみましょう。

下記から指定を受けている講座が確認できるので、参考にしてくださいね。

厚生労働大臣指定教育訓練講座 検索システム

参照:厚生労働省 教育訓練給付制度

資格取得を支援している職場を選ぶ

資格取得の際にかかる費用を支援している職場があります。

介護職員の知識や能力、技術アップのためや、職員のモチベーションアップのためなどに支援を行っているのです。

職場によって支援の方法はさまざですが、主に行っている支援は

  • 資格の取得にかかる費用の一部、もしくは全額を負担
  • 資格を取得した際のお祝い金・奨励金を支給
  • 資格を取得した後、資格手当を支給

になります。

資格取得の支援を行っている場合は、求人内容に記載していたり、面接の際に教えてくれたりするので前もって確認をしておきましょう。

職場選びのポイント

資格を取得しながら働くにしても、どのように職場を選べばいいのか気になるところではないでしょうか。

ここでは介護士として働く際の、職場選びのポイントをお伝えしていきますね。

給与や勤務形態などの内容が明確

給与や勤務形態など確認する内容についてお伝えします。

給与や福利厚生について

基本給はもちろんのこと、賞与や昇給はどのような基準でどのように支給されるのかを前もって確認しておくといいですね。

明確に定められていれば、賞与が支給される基準や額、昇給される基準などを周知しています

また、資格手当や夜勤手当、通勤手当などの額や各種手当の内容も前もって把握できますので、忘れずに確認しておきましょう。

基本的に社会保険は完備されており、社会保険には健康保険・労働保険・厚生年金・介護保険があります。

職場によって、健康診断やインフルエンザ予防接種、住宅手当や家族手当などさまざまな福利厚生が設けられていますよ。

勤務形態について

基本的な勤務時間や休日はもちろんですが、年間休日数や有給休暇、特別休暇についても前もって確認しておくといいですね。

人手不足な職場は多いので、人手が足りないときに休日出勤をお願いされることがあるかもしれません。

その代わり別の日に休暇をとれることもあります。

また、24時間体制の施設では、2交代制や3交代制など勤務時間が異なってきます

新人のころは夜勤をまかせられることはほぼないと思いますが、仕事を覚えた頃に夜勤に入る可能性が出てきます。

夜勤についての勤務時間や休憩時間を前もって確認しておくといいですね。

また、残業が発生する可能性もありますので、残業はどのぐらいあるのかも併せて確認しておくといいですね。

給与や勤務形態についての確認は、あなたの生活がこれからどう変わるのかを確認するためでもあります。

あくまでも「良い」「悪い」という基準ではないということは、念頭において確認してくださいね。

資格取得支援制度がある

資格取得支援制度を設けている職場かどうかも確認しておくといいですね。

前述の資格取得の費用を抑える3つの方法でもお伝えしましたが、資格取得は費用がかかるため、支援があると非常に助かりますよね。

支援の内容としては特に

  • 資格の取得にかかる費用の一部、もしくは全額を負担
  • 資格を取得した際のお祝い金・奨励金を支給

上記の支援があるのか確認してみましょう。

資格手当については大半の職場が設けています。

介護士として働き続けるのならば、スクールへ通えるタイミングができた際に資格取得をおすすめします。

まとめ

今回の記事では、下記の内容をお伝えしました。

  • 高卒でも介護士になれる?
  • 資格の有無で給与に差が出る?
  • 資格を取得するには?
  • 取得した資格別の給与の違い
  • 資格取得の費用を抑える方法
  • 職場選びのポイント

介護業界は人手不足で、これからもっと人材が必要とされます。

また、景気に左右されず安定して働ける仕事です。

30年介護に携わっている私からお伝えしたいことは、「あなたが提供できる価値は何なのか?」を考えて働いてほしいということです。

特別なことではなく、あなただから求められていることを提供できると、資格の有無は関係なく重宝される人材となりますよ。

今回の記事が高校の進路を決める際に、参考になれば嬉しいです。

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