介護士になるには

忙しい介護士必見!働きながら介護福祉士を取る勉強方法とは?

介護士として働き出して、ステップアップを目指すなら、介護福祉士の資格は欠かせませんよね。

でも、忙しく働く中で、なかなか思うように勉強が進まなかったりするのではないでしょうか?

今回は、介護士になった人が次に目指すステップとしての「介護福祉士」の国家資格をどうやって勉強すれば取ることができるか、についてお伝えしていきます。

現場で働きながらも効率よく勉強し、介護福祉士を取る方法も紹介するので、ご参考になれば幸いです。

介護福祉士ってどんな資格?

介護の仕事をしている人であれば、一度は目指すであろう資格が『介護福祉士』だと言えます。

介護福祉士は国家資格です。

取得しているだけでも世間的な信用度が上がる他、「資格手当」として多ければ1万5000円ほど月給が上がる場合もあります。

また、介護職の仕事は多種多様ですが、中には介護福祉士を持っていないと応募できないような求人もあります。

名称独占や業務資格独占などはありませんが、資格を持っているだけでも他の介護士よりも信頼される場面も増えるでしょう。

介護福祉士試験の合格率は6〜7割ほど、と難度もさほど高くはありませんので、働きながら取得するチャンスは充分にあります。

ぜひチャレンジして取得しておきたいですね。

どうやって資格を取れるの?

私も22歳で介護職に就き、25歳で介護福祉士の資格を取得しました。

介護福祉士を取得するためには、年に一度行われる試験に合格する必要があります。

試験は社会福祉振興・試験センターが主催しているので、詳細を確認しておきましょう。

試験は毎年1月末頃に行われ、直近は令和4年1月30日(日)に実施されました(※実技試験は3月6日(日))。

次回は令和5年1月29日(日)に実施されます(※実技試験は3月5日(日))。

受験費用(受験手数料)は18,380円ですが、場合によっては就業先の会社や事業所が負担してくれることもあります。

事業所は介護福祉士がいることにより、政府からの補助金がもらえる「加算」が取れることがあるからです。

就業規則や福利厚生の内容を一度確認してみましょう。

介護福祉士を取得するための条件

介護福祉士を取得するためには、いくつかのルートがあります。

  • 養成校卒業ルート(介護福祉士養成施設で1年もしくは2年以上通い、その後国家試験を受験するルートです。)
  • 福祉系学校卒業ルート(福祉に特化した高校や専門学校などの福祉系学部に通います。筆記試験のみで、実技試験は免除されます。)
  • 実務経験ルート(おそらく働きながら介護福祉士を目指すのに最も多いパターン。介護職として実務経験3年以上勤務した後、国家試験を受験するルートです。)
  • 経済連携協定ルート(日本で就労を目指す外国籍の就労者が、介護福祉士資格を取得することを目的として研修を受けるルート)

働きながら国家資格の介護福祉士を目指そう!資格の取り方を教えます

忙しい中でも効率的に試験合格を目指す勉強ポイント

どのルートでも必要なのは、介護福祉士の国家試験を受け、合格することです。

確かに、学校に通ったり研修を受けたりするだけで合格するだけの知識は付きますが、インプットした知識をアウトプット、すなわち問題を解く力としなければいけません。

では、働きながら限られた時間でどうやって勉強すれば合格できるのでしょうか。

過去問を解く

最も効率良い方法が、過去問を解いて勉強することです。

過去問は書店などで買えるので、実際に見に行って探して買いましょう。

オススメは中央法規が出版している過去問解説集です。

過去問の良いところは、

  • 何を勉強すれば良いのかわかる
  • どういう問題が出やすいのかがわかる
  • 引っかけ問題や紛らわしい問題など、対策すべき点がわかる

というところです。

そして、過去問を解く際は、出題されやすい箇所、出題されやすいキーワードを重点的に覚えるようにしましょう。

また、何年分も解くことによって、出題のされ方、引っかけ問題の作られ方もわかってきます。

似たような単語で紛らわしく見せてきたり、法改正前の内容をしれっと文章の中に入れてきたり。

こういった出題のクセを見抜くだけでも、グンと正解率は上がります。

小手先のテクニックのようではありますが、正解しなければ意味がないので、どういう風に問題が作られているのかを把握するためにも、過去問は研究したほうが良いのです。

あえて完璧を目指さない

試験は100点満点である必要はありません。

介護福祉士国家試験を運営する公益財団法人社会福祉・振興センターでは下記のように合格基準を設ています。

ア 問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点の者。
イ アを満たした者のうち、以下の試験科目11科目群すべてにおいて得点があった者。[1]  人間の尊厳と自立、介護の基本
[2]  人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術
[3]  社会の理解
[4]  生活支援技術
[5]  介護過程
[6]  こころとからだのしくみ
[7]  発達と老化の理解
[8]  認知症の理解
[9]  障害の理解
[10]  医療的ケア
[11]  総合問題
※問題は全部で125問、1問1点で125点満点となります。

つまり、すべての問題ジャンルで1問以上正解し、かつ、全体の60%程度の得点があることが合格条件になります。

総得点である125点の60%程度が基準となるので、概ね75点あたりが合格ラインになるかと思われます。

問題の難易度によって合格ラインは若干前後する可能性はありますが、余裕をもって125点中85点をとれれば合格は間違いないと言えます。

逆にいえば、125問中、40問は間違えても大丈夫なのです。

え、そんなに間違えても大丈夫なの?と思われるかもしれませんが、大丈夫です!

当然、中には重箱の隅をつつくような難解な問題も出題されます。

しかし、試験時間は限られています。

わからない問題を延々と考えて時間オーバーになってしまうよりは、わからない問題はわからないと割り切って、次の問題にサッサと進む見極めも大切です。

さて、125問中85点くらいを取れれば大丈夫、というゴールラインははっきりしました。

勉強開始時期

では、実際にいつから勉強を始めれば良いのか。

おすすめとしては試験の半年前、つまり6月か7月頃に一度過去問を解いてみるのが良いです。

この時期に過去問を解けば、解けなくて全然ダメだったとしてもあと半年あるので充分に取り返しがつきます。

また、勉強が苦手な人でも半年間だけなら集中して取り組める期間です。

あまりに早く勉強を始めると、モチベーションを維持しきれず、試験当日に勉強のピークを持っていけなくなります。

半年前くらいに勉強開始を目安としましょう。

1日の勉強時間

1日何時間勉強すれば良いかは、人それぞれな部分もありますが概ね1時間程度を目安としましょう。

1日に丸々時間取って勉強するよりも、同じ内容を何日も少しずつ繰り返し触れた方が、脳への定着もしやすくなります。

また、実際現場の仕事で忙しかったり、家に帰ってからも家事があったりすると、なかなか時間も取りにくいかと思います。

なのでまずは、1日1時間ずつコツコツ勉強することを心がけましょう。

1時間も無理だよ!という人はまず、10分で良いので机に座ってみることから始めましょう。

ストップウォッチで測るのも良いでしょう。

「全然はかどらなかった」でも、今まで勉強する習慣がなかなか無かった人にとっては、それだけでも大きな進歩になります。

小さなステップから始めましょう。

そして、暗記しなければいけない内容もありますが、問題の大部分は、普段、介護現場で実践していることを把握できていれば、解けるものが多いです。

まずは現場での仕事を懸命にこなしましょう。

常に本番を意識する

試験は合格しないと意味がないので、試験本番を見据えた練習は常に意識しておきましょう。

具体的には

  • 模擬試験を受ける
  • 実際に時間を測りながら過去問を解く

などです。

本番さながらの緊張感の中で問題を解くことができ、自分の中での課題も見つかりやすくなります。

また、時間配分に気をつけることも大切です。

上述したように、試験問題は全部で125問あります。

そのうち、午前の部は全68問あり、110分(1時間50分)で解きます。

1問あたり1分半と少しの時間という配分です。

午後の部は全57問を同じく110分で解きます。

1問あたり2分近くかけられる時間配分です。

設問を読み、すぐ答える形式の問題もあれば、文章問題など、解くのに時間がかかる問題もあります。

あらかじめ過去問を解く中で、出題のされ方を把握し、どの問題にどの程度時間をかけるべきか把握しておきましょう。

練習時も本番と同じ持ち物を使うと、本番でのハプニングに備えることが出来ます。

試験対策講座を受講する

費用はかかってしまいますが、介護福祉士の試験対策講座を受講するやり方もあります。

独学では気付かなかったような学びを得ることや、最新の出題傾向などを客観的に分析して教えてくれることもあります。

何より、長年の実績から、どうすれば試験に合格するのかというノウハウが蓄積されているので、より効率よく勉強する環境が整えられています。

以下は、ニチイ学館の介護福祉士国家試験対策講座です。

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モチベーションの保ち方

もし自分ひとりで勉強するのが苦であれば、学校や職場で試験を受ける同僚たちと一緒に勉強するのも良いですよ。

それだけでもモチベーション維持になります。

また、自分が得た知識を他人に教えたり説明する機会を作りましょう。

他人に伝えるには、自分がきちんと理解しておく必要があるため頭の中が整理され、限られた時間の中で効率よく覚えられます。

さらに他人に説明しようとするだけで、相手が理解できるようにと意識するのでモチベーションが高まります。

せっかくの勉強をムダにしない!試験本番で気をつけるべきポイント

本番では誰しも緊張し、頭が回らなくなってしまったり、つい焦ってマークミスをしてしまったりするものです。

そんな試験本番で特に気をつけるべきことをお伝えします。

試験当日の持ち物

  • 受験票
  • 鉛筆
  • 消しゴム
  • 腕時計
  • 見直しに必要な資料
    鉛筆や消しゴムは、芯が折れたり落としたりすることを備えて予備も準備しておきましょう。

マークシート方式なので、シャープペンシルよりも、できれば鉛筆の方が塗り潰しやすいです。

他に、勉強で使った参考書も持っていくと良いですが、何冊も持っていくと荷物が重くなりすぎてしまいます。

覚えにくい単語、苦手な内容だけあらかじめピックアップして、ノートなどにまとめて持っていくと良いでしょう。

試験の空き時間で復習するには、時間が限られてしまいます。

自分の苦手分野だけ再度見直せるようにしておくと、休憩時間を効率よく使えますよ。

問題文をしっかり読む

意外と間違いが多い原因として、問題文を読んでいないことが挙げられます。

設問は「最も適切なもの」だけではなく、「最も可能性が高いもの」「最も優先されるもの」など、いくつか種類があります。

選択肢の内容自体は間違っていないが、ここで解答するのに相応しいものを見抜いて答える必要があります。

また、「不適切なもの」を選ぶ設問もあります。

間違っているものを答えよ、というものです。

何を問われているのか、設問はしっかり読むようにしましょう。

言い切る表現に注意する

これは少し細かいテクニックの話です。

選択肢の中にときどき「必ず」「絶対」「確実に」など、100%そうだと決めつけるような表現が入っている場合があります。

一見正解に見えるような内容もありますが、まず疑ってみましょう。

介護現場では、利用者に合わせて介護のしかたも変わってきます。

人それぞれなのが介護現場であり、絶対にこうだ、言い切れるものはほとんどありません。

この言い切った表現が入っている場合、選択肢としては「✕」の可能性が高いので、注意して読みましょう。

マークシートのズレが無いか確認する

問題を解いている途中、マークシートを見返すと、時々マークする箇所が1問ずつズレてしまっていることがあります。

問10の箇所に問9の答え、問11の箇所に問10の答えをマークしてしまっていた、という具合です。

せっかく答えは合っていても、マークシートは機械で読み取るため、結果ほぼ全て間違ってしまっていたという事態になりかねません。

問題を解いている途中は夢中になっているので気付きにくいですが、試験終了までにマークシートは必ず見返しましょう

マークシートはすべて埋めきる

どうしてもわからない問題や、時間が足りなくて最後まで解ききれないことは往々にしてあります。

そこで諦めて何もマークせずに試験を終わらせるのはもったいないです。

仮に自信を持って答えられていなくても、マークシートはすべて埋めましょう。

あまり良いやり方ではありませんが、試験は4択なので、どれかマークしておけば、たまたま正解する可能性もあります。

むしろ、わからない問題に頭を悩ませて時間を割きすぎてしまうよりは、潔く割り切ってどれかをマークし、次の問題に進むことの方が大切です。

また、マークシートを埋めていくことによって、先述したマークシートのズレも防げます。

125問中40問は間違えても大丈夫なのですから、臆せず解答していきましょう。

今回は試験本番で注意しておきたいポイントを絞ってお伝えしました。

具体的な問題の解き方は以下の記事でも紹介しています。

絶対合格したい!介護福祉士国家試験に向けての勉強法と試験本番のコツについて

ぜひご覧ください。

初任者研修・実務者研修を修了しておく

よく「介護職員初任者研修」や「実務者研修」を修了していないと介護福祉士になれないのでは?と疑問を持たれる方もいますが、そんなことはありません。

ただ、試験合格に向けて有利なのは間違いないです。

介護職員初任者研修(昔はヘルパー2級と呼ばれていました)はホームヘルパーの仕事をするために必要な認定資格です。

実務経験ルートでは、実務者研修を修了していると介護福祉士国家試験受験の際、実技試験が免除されます。

(養成校卒業ルート、福祉系学校卒業ルートは実技試験免除)

この実技試験免除というのはかなりのアドバンテージになります。

実際に実務者研修内でも実技を行う研修はありますが、失敗してもまたチャレンジできますし、本番のようなプレッシャーを感じずに取り組むことができます。

また、初任者研修の内容は実務者研修と被っている内容もあるため、初任者研修を修了していると実務者研修の一部の内容が免除になります。

そして初任者研修や実務者研修で得た知識は、国家試験受験の際大いに役に立ちます。

なので、介護福祉士国家試験に合格するには、初任者研修や実務者研修をしっかり修了しておくことも大切です。

まとめ

以上のように、介護福祉士はポイントをおさえて勉強すれば、充分に合格できる資格試験です。

介護福祉士を取得すると、その先、ケアマネジャーの資格も取得することができます。

介護士としての視野が広がるこの国家資格。ぜひ取得目指してがんばっていきましょう!

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